▼ 7-4
●ももside
「あ、ぅ…ひゃ…っ」
「可愛い、俺のもも…」
「せんぱ、…ん、痛っ、…ああぁァ」
俺の上に跨る東堂先輩。
見たこともないようなギラついた雄の目付き。紛れもなくそれは俺に向けられている。先輩の少し荒々しい行動にドキドキしていると、急に舐められ吸われていた乳首をおもいきり歯で噛まれた。
先程までの甘噛みとは全然違う。
あまりの痛みに目元に溜まっていた涙が零れ落ちた。
「…ひ、…ァ」
「噛まれて喘ぐなんてやらしいな」
「先輩、…も、…ゃだ…ぁ」
どうしよう、やばい。
好きな人からこんなに触られて平然と居られる人なんて居ないと思う。先輩の好きなように弄られている自分の乳首がピンク色に立ち上がっているのが目に入り、凄く恥ずかしくなる。
…それに下半身も、疼いてきた。
「東堂、せんぱぃ…、ぁ、…も、離して…っ」
「……何で?」
「だって、も…ン、…ゃあ」
「嫌って言ったら?」
「…せんぱ、い」
どうしよう、早く離れないと先輩に気付かれてしまう。胸を弄られただけで浅ましくも反応してしまった下半身に…。
「……もも」
「…ん、」
「んな、顔するな。」
「……ぁ」
「今日はここまでだな。」
東堂先輩はそう言うと、俺の肌蹴たシャツを直してくれた後、俺の上から退いた。
俺は安心して一息吐いた後、目尻に残っていた涙を手の甲で拭った。
「…先輩、」
「謝らねぇよ。」
「……え?」
「悪いことしたとは、全然思ってねぇし。」
「……は、い」
ちょっとだけ怖かったし、恥ずかしかったけど、俺も謝ってほしいなんて思ってはいない。俺達男同士だけど、い、一応恋人なんだからこういうことにも慣れなくちゃいけないと思うし…。
でも今は何より……、
「あ、あの、俺…と、トイレ行ってきます!」
馬鹿みたいに反応してしまった己のペニスを慰めるために、俺はトイレに向かって走ったのだった。
そしてその場に居なくなった俺は、
「…俺も便所で処理しねぇとな」
と、東堂先輩が若干頬を赤らめながら呟いていたことは知る由もない。
END
prev /
next