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「ちょ、…俺、本当に高瀬の右腕とかじゃなくて…っ!」





「うるせぇ!」




否定した瞬間に、男が腕を振りかざし俺の頬を殴った。





「…………っ…?!」




あまりの衝撃に尻餅を付く。



…凄い本当に目がチカチカする……。
漫画の中だけだと思ってた。


本当に星が目の前にあるみたいで、目がチカチカする。
そして目がチカチカしたと思えば、次にすぐ痛みが来た。





「……ン、……痛…っ」




殴られたときに口内を噛んでしまったのか、鉄の味がする。







「…はっ、弱ぇ。」




あ、…当たり前じゃないか!
だから言っただろ?!
俺は高瀬の右腕とかじゃないってっ。

それなのになんで俺を殴るんだよ?!
何で俺なんかを殴って、楽しそうに笑ってんだよ!


…むかつく。





だけどそんな怒りを口に出す勇気がなくて、俺はただ男を睨みつける。






「……あ゛ァ?!何だその生意気な目は?もっと殴られてぇのか?!」




…ドラマとか漫画とかだったら、普通は殴られる前に高瀬が登場してくれるんだろうけど……。


…そんな都合のいいことなんて起きない。







来てくれるわけないじゃん。
あの高瀬がたかがクラスメイトのために。

…しかもあんな酷いことをした俺のために……。







「お前の目、腰にクる。……めちゃくちゃにしてやりてぇ……」





「…っ、…やめ…っ」




尻餅を付いたままの俺の胸倉を掴むと、男は再び拳を作る。




「気が済むまで殴らせろよ。」




ニヤニヤ笑いながら男はそう言う。







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