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「…な、…何ですか?」



いかにも今からリンチされますよー、と言わんばかりに、体育館裏に連れてこられた俺は、恐怖で震えながら用を訊く。





「お前あの高瀬の側近だろ?」





「…そ、側近…?」



何だ?側近って?
どういう意味なんだ?





「だから、お前は高瀬の右腕なんだろって訊いてるんだよ!」




み、右腕?
それっていわゆるヤの付く人とか不良とかのトップに仕えている部下のことか?





「違います、俺は…、」




「違わねぇだろうが!てめぇいつもあの高瀬と居るじゃねぇか。」





…いつも……?

そうだな…。
そういえば新学期始まってからずっと高瀬と一緒に居たような気がする。





「…でも俺は本当に右腕とかそんなんじゃなくて、」





「じゃぁ何だよ?」





「…え?」






「何でもねぇ奴をあの高瀬が近くに置いとくわけねぇだろうが!」




……そんなの、



俺が知りたいよ。

高瀬は何で俺と一緒に居てくれたんだろう?
朝のメールだって、早い登校だって、授業中だって、昼休みも、放課後も、


…何で高瀬は俺と…。






「…くりょうで一番強い高瀬の隣に居るお前を倒せば、二番目に強いってことになるんだろ?」




「……な…っ?!」





「見た目は弱そうだ、お前なら倒せそうだぜ。」




拳を作って今にも殴りかかってきそうな男達に、俺は慌ててもう一度否定する。





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