目を覚まして、いつも通り目覚ましを止める。
昨日と同じように思えるが、
…今日は高瀬からメールが来ていなかった。
そりゃそうだよな。
あんなことしておいて、メールなんかくるわけないじゃん。
結局昨日高瀬はHRが終わっても訪れなかった。
多分あのときに家に帰ったのだろう。
昨日の夜に何度か高瀬の携帯に電話しようと試みたのだが、
…怖くて出来なかった。
何て言えばいいのか、何て言って謝ればいいのか、分からなかった。
今となってもあの高瀬の悲しそうな顔は忘れられない。
「…はぁー、…弁当でも作るか。」
俺は嫌な事から逃げるように、弁当作りに励んだ。
_________
「………………」
ガラッと教室の扉を開けると、
…やはり高瀬は居なかった。
昨日は「高瀬より絶対早く来てみせる。」と意気込んでいたが、……こんなの俺が望んでいた結果とは全く違う。
……どうしよう…。
何でこうなっちゃうんだろう…。
全部俺が悪いんだ。
駄目だと自分で分かっておきながら、何度も高瀬の言葉を無視して、聞こうとはしなかった。
「……ごめんなさい…」
誰も居ない教室で、俺の情けない声だけが異常に響いた。
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