「…くそ………っ」
俺は絶対おかしい…。
昨日からおかしくなってる。
そうだ。
おかしいからこんなに胸が締め付けられそうなほど痛いんだ…。
でも何でだ?
………何で高瀬を見たら、胸がキュゥ…ってなるんだろう?
怖いから?
緊張してるから?
嫌いだから?
……それとも、
「…って、それともって、高瀬に他の感情なんて持ってねぇよ…!」
自分に言い聞かせるように大きな声を出して、頭を横にぶんぶん振れば、周りの人たちに変な目で見られた。
……でもそんな視線より胸の方が痛いからあんまり気にならない。
どうしたんだろう、俺……。
「…全部、…高瀬のせいだ………」
ばぁか…。
責任取ってこの痛み治せよな…。
「…はい、高瀬。」
「……あぁ。」
大量のパンが入っている袋を高瀬に手渡す。
そりゃそうだ。
高瀬が、“二個”ずつ買って来いって言ったんだもん。
でもそのお陰で、残金が8500円と大幅に減った。
…早くこの関係を終わらせるんだ。
パシリから卒業さえ出来れば、きっと高瀬とは関わりがなくなる。
…そうだよ。
席替えもあるだろうし。
ただのクラスメイトに戻ればいいだけなんだ。
あってるよね?
これでいいんだよね?
俺の考えは間違ってますか……?
誰か俺を助けてください…。
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