葛藤








「…くそ………っ」




俺は絶対おかしい…。
昨日からおかしくなってる。



そうだ。
おかしいからこんなに胸が締め付けられそうなほど痛いんだ…。




でも何でだ?



………何で高瀬を見たら、胸がキュゥ…ってなるんだろう?




怖いから?
緊張してるから?
嫌いだから?





……それとも、







「…って、それともって、高瀬に他の感情なんて持ってねぇよ…!」




自分に言い聞かせるように大きな声を出して、頭を横にぶんぶん振れば、周りの人たちに変な目で見られた。




……でもそんな視線より胸の方が痛いからあんまり気にならない。





どうしたんだろう、俺……。







「…全部、…高瀬のせいだ………」




ばぁか…。
責任取ってこの痛み治せよな…。












「…はい、高瀬。」




「……あぁ。」




大量のパンが入っている袋を高瀬に手渡す。
そりゃそうだ。
高瀬が、“二個”ずつ買って来いって言ったんだもん。




でもそのお陰で、残金が8500円と大幅に減った。




…早くこの関係を終わらせるんだ。
パシリから卒業さえ出来れば、きっと高瀬とは関わりがなくなる。


…そうだよ。
席替えもあるだろうし。





ただのクラスメイトに戻ればいいだけなんだ。







あってるよね?
これでいいんだよね?



俺の考えは間違ってますか……?



誰か俺を助けてください…。





72/300
<< bkm >>
MAIN TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -