「………な、何で?」
「俺はお前しかいらねぇ……。
………ここまで言っても、分からねぇか…?」
高瀬は熱っぽくそう言うと、俺の頬に手を添えてきた。
俺は高瀬のギラギラした目に、ビクッと震えてしまう。
……な、何か油断すると食われちゃいそうだ。
「…た、…高瀬?」
様子がおかしい。
高瀬のことはよく知らないけど、昨日とは全く違う。
怖い。
逃げたい。
だけど高瀬の目が怖くて逃げたくても、逃げられない。
今の俺は例えると、“被食者”。
そして高瀬は、“捕食者”。
「ここまでして、…ここまで言っても、俺の気持ちはお前には伝わらねぇか?」
頬を何度も撫でられ、ゾクッとする。
こんな目知らない。
こんな目見たことない。
何だ、これは?
凄く怖い。
逃げないと本当に食われそう。
待て待て待て。
よく考えろ。
高瀬の言っている意味をちゃんと捉えて、考えろ。
高瀬は「俺の気持ちはお前に伝わらないのか?」と言ってきた。
…どういう意味だ。
“気持ち”?
俺に何らかの“思い”を持っているということか?
な、何だろう?
“高瀬の気持ち?”
分からない。
メアドと番号を交換して、親以外のアドレスを消された。
そして高瀬も俺のアドレス意外は全部消している。
…あっ!
も、もしかして……。
そ、そうか分かったぞ!
……だけど、何で俺何だろう?
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