朝の挨拶









ガラッ








昨日より早く学校に着いたというのに、教室の扉を開けると、高瀬はもう来ていた。



…や、やべ…っ、待たせてしまったのか……。









「お、おはよう。」








「………おはよ」







あ、…返事してくれた。
昨日は、「…あぁ」だったのに、今日はちゃんと「おはよ」って言ってくれた。



高瀬って恐いけど、やっぱり優しい所もあるんだよなぁ…。
昨日、アドレス消されたけど……。





そう思いながら、俺は接着剤でくっ付けられた席に座る。









「……な、…なぁ?」








「…………ん?」








「…あのさ、何でアドレス消したんだよ?」





やっぱりこの理由は聞いておかないと。
もし、変な理由だったら俺も高瀬のアドレス消してやる!




………とか、心の中で思うだけで、本当に出来ないけどな…。








「………俺だけじゃ駄目なのか?」








「…え?」








「…俺だけでいいだろ?お前は俺だけのことだけ知ってろよ。」







…な、何を言っているんだ高瀬は?
何かまるでプロポーズみたいだな…。



高瀬のアドレスだけ知ってても、どうしようもないだろうが。
やっぱり友達のも知っておかないと、困るんだよ。





…つーか、何か理不尽じゃね?
何で俺だけこんな目に合わなきゃいけないんだ?







「…ちょ、…高瀬、携帯貸して。」





こうなったら俺も高瀬のアドレス全部消してやる。
やられたらやり返せばいいんだ。



……も、もし怒られて殴られたとしても構うもんか。







俺が「携帯貸して」と言うと、高瀬は反論もせずに素直に俺に携帯を渡してくれた。


俺は高瀬の携帯を操作して、アドレスを見る。







………そこには、









「……な、何これ…?」






俺はおもわず高瀬の顔を見上げる。




だって、



だって…、







高瀬のアドレス帳、俺だけのしか載ってなかったのだから…。







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