『…自分で考えてみろ。』
そう高瀬は言ったけど…、
考えたって全然分からない。
俺のことが嫌いだから、嫌がらせしているのかと思った。
だって嫌がらせ以外に、考えられないじゃないか…。
……でも、俺のこと本当に嫌いだったら、高瀬がわざわざ接着剤なんか使ってまで、机くっ付けないよな。
嫌いじゃない=好き
……単純に考えればそうだけど、きっとそういうわけじゃないと思う。
うー…、分からない。
もう考えるのは止めよう。
だってやっぱり俺が考えても、分かることじゃないし。
ふぅー。
それより授業に集中するか。
そういえば、明日は実力テストじゃなかったか?
国語・数学・理科・社会・英語の五科目のテストだったよな。
「………はぁー…」
嫌だなぁー。
一人で勉強するのも、嫌だし…。
“実力テスト”なんだ。
勉強せずに、“実力”でテストに挑んでやろうじゃないか!
「………おい」
「…え?な、何?」
「…………明日の、…テスト…」
「あ、うん。…明日実力テストがあるよな。」
高瀬もちゃんとテストのこととか覚えていて、考えているんだ。
はぁー、やっぱり勉強しないと駄目かな?
別にこのテストは、そこまで点数は関係ないけど、やっぱりいい点を取って悪いことなんて一つもない。
勉強するべきか…。
「……だから、俺が…
放課後勉強…、教えてやる。」
「………え?」
い、今何て言った?
う、嘘?!
まじで?!
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