で、でも俺が訊いたところで、高瀬はちゃんと答えてくれるだろうか?
訊いたところで、「あ゛?何で、てめぇなんかに教えなくちゃいけねぇんだよ。」とか言われるのがオチだ。
…………ん?
あれ?
つーか、…高瀬は何を持ってるんだ?
俺は高瀬が何かを持っていることに気付き、それを見る。
え?
“瞬間接着剤?”
は?
何で高瀬がそんな物を…………っ。
あっ!
ま、まさかっ?!
俺はまさかそんなことないよな、と思いながら、そしてそうではないことを願いながら、引っ付いている机を離そうとする。
「…………あ…、…ぁ」
………俺の予想は当たっていたらしい。
当たりたくもなかった。
………何で?
こいつ、
…机に瞬間接着剤をつけて離れないようにしやがった……。
「………っ」
ギロリと高瀬を睨み付けると、高瀬は今まで見せたことのなかった、ニヤリとした悪どい笑みを浮かべる。
「…な、何でこんなこと……っ」
「……………」
「そんなに、…俺のこと嫌いかよ…」
そうだ。
俺のことが嫌いだから、高瀬はこうして俺に嫌がらせをするんだ。
何で?
俺が“葵ちゃん”って言ったことをまだ怒ってるのか?
それとも他に、高瀬を怒らせるようなことしてしまったのか?
「……馬鹿、違ぇよ…」
「じゃ、じゃぁ一体何で………っ?!」
「………それは、
……自分で考えてみろ。」
高瀬はそう言うと、俺の怒りを静めるためにか、ポンポンと頭を優しく撫でてくれた。
………本当に、
こいつ分からない…。
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