「……………」
「……………」
高瀬は撫でられて、嬉しそうな表情を浮かべたままで、俺に怒ったりはしない。
だから俺もそのまま高瀬の頭をよしよしと撫で続ける。
高瀬も俺の頭を優しく、撫でてくれる。
…何だ、これは?
だけど俺も撫でる手を止めようとは思わなかった。
だって、
高瀬が物凄く可愛く思えてきたから…。
こんな格好良くて悪どい顔の人に可愛いって言うのは、自分でもおかしいと思う。
…だけど、何ていうのかな?
例えば、
“懐いてこない猫が自分から甘えてきた”、みたいな胸の中がポワー…とする感じだ。
高瀬の髪はダークブルーの色に染められているようだったが、全く傷んでいなくサラサラで気持ちがいい。
うん。
なんか楽しいかも。
だけどふと現実に戻る。
今の俺たちの図。
教室で、男二人が頭を撫で撫でし合っている。
…うわ、
ユニーク。
俺はそう思い、高瀬の頭を撫でていた手を離す。
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