俺が手を離すと、高瀬は機嫌が悪くなったのか俺のことを睨んできた。
…だ、だってさ、高瀬もよく考えてみろよ。
絶対この光景おかしいって。
こんな男二人組が居たら、俺絶対指さして笑うと思う。
「……あ、あの…手、離して?」
高瀬の顔を見ながらお願いすると、高瀬は気まずそうに顔を逸らす。
…は?
何?
「…………ちっ」
高瀬は舌打ちをすると、俺の頭から手を離してくれた。
ふぅー、…助かった。俺は安堵の溜息を吐く。
…しかし安心するのは早かった。
…また高瀬に椅子を蹴られました。
その後、高瀬に怯えながらも懸命に授業を受けた俺。
うん、偉い。
そして三限目の授業では、高瀬が勉強を教えてくれた。
あれ?機嫌がいいのかな?
俺は少し試す気持ちで、自分から高瀬に質問してみた。機嫌が悪いのなら、怒鳴るか無視するかだろう。
するとやはり機嫌が良かったようで、丁寧に教えてくれた。
ふむ、機嫌がいいのか。
…しかし、何でこいつは俺より頭がいいんだ?
むかつく…。
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