な、何これ?
な、何で高瀬は俺の頭を撫でてくるの?
でも俺の行動は間違ってなかったってことだよね?
高瀬は俺の頭を撫でながら、自分の席に座る。
……俺の今の気分は、悪いことをした後にいい事をして褒められている子供のような気分だ。
…な、なんか変な感じ。
何で同級生の、しかも不良で、そしてこの学校のトップの人間から、頭を撫でられなきゃいけないんだろう?
子供扱いされているようで、ちょっとむかつくんだけど。
…まぁ、高瀬の手が優しいから気持ちいいんだけど、気分としては全くよくはない。
むしろ馬鹿にされているようで、むかつく。
そう思い始めると、ふつふつと怒りが沸いて来る。
だって高瀬は、まだ楽しそうに俺の頭を撫でたり、髪の毛を弄ったりしている。
…俺は「高瀬も俺と同じように惨めな気分を味わえ」という軽い気持ちで、高瀬の頭に手を乗せる。
もしかしたら「何触ってるんだ、ボケェッ!」とか言われて怒られるかもしれないと思ったけど、俺には学習能力というものが備わっていなかった。
…本当に軽い気持ちで、高瀬の頭を撫でたのだ。
すると高瀬は、俺に触られて一瞬ビクッと身体を震わせたものの、大人しく俺に撫でられ続けた。
撫でられている高瀬の表情に怒りなどは感じなく、
むしろ、
凄く嬉しそうだった。
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