恋焦がれ








「ん、ひっ…ぅ!」


挿し込まれていた高瀬の男らしいゴツゴツした三本の太くて長い指が、ぬぷっ…といやらしい音を立てて抜かれた。


「……ぁ」


今まで散々腸内を掻き回されていたというのに、急に指を抜かれると消失感が襲ってくる。急激に物足りなさを感じ、上から見下ろしてくる高瀬を見つめれば、何処か余裕のなさそうな高瀬に笑われてしまった。


「…そんな顔で見るな」


そんな顔とは一体どんな表情なんだ?
首を傾げ、頭上にクエスチョンマークを浮かべる俺の言いたい事を感じ取ってくれたのか、高瀬は汗で湿った俺の頭をポフポフと撫でてくれながら、「その物足りなさそうな表情だ」と述べた。


「……っ、」


そんな表情なんてしていないっ、と反論したいところだが、図星なだけに何も言い返すことが出来ない。俺は何も言えないまま羞恥で真っ赤になってしまった顔を両腕で隠した。


「こら、仁湖。顔を隠すな」

「だ、だって…俺、本当に物足りないって、思ってて、…それでっ」

「恥ずかしがる事ないだろ?俺は仁湖がそう思っててくれて嬉しい」

「…ほ…んと?」

「ああ、当たり前だ」

だからもっと顔を見せてくれ。
そういった高瀬に応えるように俺はそって手を退かした。


「…ね、…たかせ、」

「どうした?」

「ちょう、だい?」

「………」

「早く、…高瀬を俺に、ちょうだい?」

「………」


俺が物足りないと思っていたことはすでに高瀬にバレているのだ。それならいっそ、自分から強請ってみたっていいのではないだろうか。そう考えた俺は、高瀬の着ていたシャツの裾を引っ張りながら精一杯のおねだりをして見せた。


「…っ、わ?!」


それはどうやら嬉し恥ずかしながら高瀬の萌えツボとやらを刺激してしまったらしく、言葉通り獣化した高瀬に強引に身体を押さえ付けられてしまった。


「…んっ、きて…た、かせ」

「…煽るな、馬鹿」


眉間に皺を寄せる高瀬も一段と格好良くて男臭い。そんな高瀬に今から食われるのだと思うと、期待と興奮で呼吸が荒くなってしまう。

上の服を破り捨てるかのように脱ぎ捨て、下着の中から勃起したペニスを取り出す高瀬。その様子を見ながらドキドキしていると、引き出しの中を見て高瀬は急に「…あ」と声を上げた。


「…どうしたの?」

「ない…」

「何が?」

チッと舌打ちをした高瀬は重々しい表情でこう言った。


「ゴムが、ない」

「…え?」


どうやら事態を察するに…。
コンドーム切れのようです…。





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