ど、どこだろう?
どこが間違っていて、答が違うのか分からない。
「…………ここ。」
「……っ、…うわ……」
俺はおもわず声を出して驚いてしまう。
…だ、だって高瀬が、
シャーペンを握っている俺の手の上に、手の平を重ねてきたから…。
「………な、…何っ?!」
何してるんだ、こいつ?!
何で手を重ねてくるわけ?!
…つーか、めちゃくちゃ顔近いんだけどっ?!
しかし高瀬は俺の驚きを無視しつつ、俺の手を握ったまま、間違っている計算式の部分までシャーペンを持っていく。
「……ここから、違う。」
高瀬はもう片方の手で、俺の消しゴムを使って間違っている部分を消していく。
そして俺の手を握ったまま、高瀬は器用に数字を書いていく。
「………あっ。」
本当だ。
確かに高瀬の言った通り、間違ってた。
そっか、ここが違ってたから、答が間違っていたのか。
「……分かったか?」
「あ、うん。分かった。……ありがとう。」
「………………」
あれ?
何だ?
「………えっと……、」
何で手を離してくれないんだ?
このままだと、書けないんだけど…。
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