重なった手








ど、どこだろう?






どこが間違っていて、答が違うのか分からない。











「…………ここ。」









「……っ、…うわ……」








俺はおもわず声を出して驚いてしまう。








…だ、だって高瀬が、









シャーペンを握っている俺の手の上に、手の平を重ねてきたから…。









「………な、…何っ?!」








何してるんだ、こいつ?!


何で手を重ねてくるわけ?!





…つーか、めちゃくちゃ顔近いんだけどっ?!











しかし高瀬は俺の驚きを無視しつつ、俺の手を握ったまま、間違っている計算式の部分までシャーペンを持っていく。








「……ここから、違う。」








高瀬はもう片方の手で、俺の消しゴムを使って間違っている部分を消していく。
そして俺の手を握ったまま、高瀬は器用に数字を書いていく。









「………あっ。」







本当だ。
確かに高瀬の言った通り、間違ってた。




そっか、ここが違ってたから、答が間違っていたのか。









「……分かったか?」







「あ、うん。分かった。……ありがとう。」







「………………」








あれ?



何だ?








「………えっと……、」







何で手を離してくれないんだ?




このままだと、書けないんだけど…。






13/300
<< bkm >>
MAIN TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -