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高瀬との初エッチから一週間が経った。
高瀬と二人きりでずっと一緒に居たくて、我侭を言って学校にも行かずに、ずっと俺は高瀬の家に居た。優しい高瀬は嫌な顔一つせずに、快く側に居させてくれたのだ。
「………はぁー」
「仁湖、元気出せ。」
「…高瀬は、寂しくないのかよ…?」
だがそう楽しい一時がずっと続くわけがない。俺たちはまだ高校二年生。学校にもちゃんと行って、将来の事を考えて勉強をしなくてはいけない。
…ずっとずっと、二人で居たいだけ居られるわけではない。
「寂しくねぇよ。」
「…………」
そうはっきりと「寂しくない」と言われると悲しい。
俺は高瀬と二人きりで居られなくて寂しく思っているのに。落ち込んでいると、急に高瀬から頭を撫でられた。
「だって俺は仁湖と一緒に居られる学校生活も好きだから。」
「…高瀬」
「制服姿の仁湖も可愛いし、勉強苦手な仁湖も可愛い。」
「………っ」
「…それに、仁湖に勉強を教えてやる時間が俺は好きなんだ。」
…そんな嬉しい事を言われて、感動しない人は居ないだろう。高瀬に頭を優しく撫でられながら、俺は泣きそうになるのを堪えつつ、高瀬に「ありがとう」と告げた。
「やっぱり俺、高瀬が大好きだ。」
此処は皆が居る教室。声の音量を控えめに高瀬の耳元で喋る。そう言えば、高瀬は嬉しそうに微笑んで「俺も、仁湖が好きだ」と耳元で言ってくれた。
「よし!俺、勉強も頑張る。」
「ああ。」
「……これからも勉強、教えてくれる?」
「当たり前だ。」
「ありがとう、高瀬。」
留年する程頭が悪いわけではないが、高瀬と一緒に三年生になりたい。…そして願わくば、また同じクラスの隣の席に…。
だからいっぱい勉強する。
…そういえば、高瀬って大学行くのかな?俺は一応大学まで行きたいなぁとか思っているけど、高瀬が大学行くとしても学力の所為で同じ大学行けないんだろうな。
そう思うとまた寂しく感じる。
俺の知らない所で高瀬が誰かと隣の席に座るのは、ちょっと嫌だな。
「俺って、意外と独占欲強い方なんだ…」
「……仁湖?」
「…いや、こっちの話…」
高瀬と、…離れたくないな。
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