精液や汗で汚れている仁湖の身体を丁寧に洗う。
タオルやスポンジ等を使わずに泡が付いただけの素手で、身体を洗っていると知ったら仁湖はどんな反応を見せるのだろうか?
「…きっと顔を真っ赤にして、怒るだろうな。」
その様子が安易に想像出来て、凄く心が温まる。
怒られるだろうと思っていても、これだけは止められない。だってこれは“俺だけの特権”なのだから。
俺は余計に張り詰めていく己のペニスを無視しつつ、仁湖の身体を清めていった。
肩、鎖骨、胸元、腹、尻、そして陰毛にペニス…。
上から下へと手を移動しつつ、泡が付いた手で仁湖の身体を優しく洗っていく。滑らかな肌の感触が気持ちいい。柔らかな肉の触感が堪らない。
そのまま太股、脹脛と下まで存分に仁湖の身体を洗った後、お湯を掛け泡を流した。
「…………」
そして俺は少し残念な事に気が付いた。
仁湖に苦しい思いや嫌な思いをさせたくないがために、コンドームを付けて性行為をしたため、腸内洗浄をしなくてもいいということだ。
「…掻き出してぇな。」
気を失っている仁湖の前で、俺は一人ボソリと呟いた。仁湖に痛い思いはさせたくない。苦しい思いもさせたくない。男同士の性行為ではコンドームを付けることが前提だということも分かっている。
…だが気を失っている仁湖の尻の穴から、自分の吐き出した汚い精液を掻き出してみたいというのも本音。
きっとあの小さい穴から俺の吐き出した白い液体がドロリと出てくる様子は、かなりエロいのだろう…。
いつかそんなこともしてみたいと夢を抱きつつ、俺は冷え掛けた仁湖の身体を温まるべく、仁湖をお湯の張った浴槽の中に入れた。
「…柔らけぇ……」
膝の上に乗せて、後ろから抱き付くように気を失っている仁湖の身体を抱き締める。仁湖の身体は男とは思えないほどプニプニしていて、凄く気持ちがいい。
しかも勃ち上がった己のペニスが仁湖の尻に挟まれ、何ともいえない興奮と快感が俺を襲うのだ。
「……仁湖、」
「…ん………、」
きっと仁湖の前だと俺の性欲は底無しだ。
何度射精しようが、仁湖の事を考えてしまうと勃起をしてしまう。だが俺と仁湖の体力の差は歴然としている…。俺の性欲の所為で、仁湖に無理をさせて体力を付けさせるのは絶対に嫌だ。仁湖には苦しい思いをせず、いつも笑って欲しいと思っているからだ。
だからこそ俺が我慢すべき。
別に一人でも欲を放つことが出来るのだから、仁湖に無理をさせなくても大丈夫。…それに今まで我慢してきたんだ、これからも我慢くらいは出来る。
俺は理性のない獣じゃねぇからな…。
後は汗を掻いて濡れた仁湖の頭を洗うことと、精液や汗で汚れてしまったベッドを綺麗にすることと、部屋を換気すること。
仁湖のために奉仕することが嬉しい。
もっともっとドロドロになるまで甘やかしてやりたい。世界で一番仁湖を幸せにしてやりたい。
「…ああ、そうか…世界で一番は無理だったか。」
だっていつも仁湖の傍に居られる俺が、世界で一番の幸せ者だからな。
だから仁湖は世界で二番目の幸せ者にしてやろう。
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