求愛(高瀬side)







「………は…、」

俺の下で気を失ったかのように眠る仁湖。
精液でドロドロに汚れた互いの腹。そして滴る汗。それがこの数時間前から始まった行為の濃さを表している。


「仁湖…、仁湖…っ」

汗を掻いている仁湖の身体を清めるのが先だと思いつつも、俺の下で息を乱しながら呼吸をする仁湖が愛おしくて堪らなくて、俺は力強く抱き締めた。

…ああ、このまま本能の赴くままに腰を動かし仁湖の中を穿てば、どれほどの快楽を得られるのだろうか…?

そう思いつつも、これ以上仁湖の身体に鞭を打つわけにはいかなくて、俺は必死に理性を保つ。腰を動かさず、仁湖の心地良い腸内を味わっているだけなのは酷なので、仁湖の中で痛いほど張り詰めている自身のペニスを抜くために、俺は腰を引いた。

だが一度射精しただけでは満足しないのは事実だ。まだ足りない、仁湖が足りない…。

被せたコンドームの中は大量に出した俺の精液でグチャグチャだ。今更汚れることなんて気にせず、そのままゴムをベッドの上に投げ捨てた。


「………、」


出来ることなら、…もう一度数時間前に戻りたい。





『いぁ、…ひぃ、…ンぐ、…』

長い時間慣らし拡張したというのに、俺のペニスを苦しそうに受け入れる仁湖の姿。

『やだ、…やだぁあ…っ、』

その仁湖の苦しむ姿を見て一旦抜こうとすれば、泣きながら何度も「嫌だ、抜かないで…」と俺に抱き付きながら可愛く懇願する仁湖の姿。

『奥まで、高瀬を頂戴…?』

仕舞いには自分で最奥まで欲しいと強請る仁湖の愛らしい姿。



どれもこれも堪らない。
可愛い。愛おしい。


「…は…っ、仁湖……、」

最高の形で迎えた初体験を思い出せば、先程以上に痛いほどに勃ち上がった己のペニス。袋はパンパンに張り詰めており、ペニスは腹に付くほどそそり立っている。
仁湖に悪いと思いつつもこれ以上自分を抑えることが出来ずに、俺は寝ている仁湖の片手を使い手淫を行った。


「…っ、く…」


仁湖の柔らかく小さい手の平の上に自分の手の平を重ねて、ペニスを扱く。そして無理矢理筒状の形を作らせて、その穴を穿つように腰を動かした。


「仁湖、…すげ、堪らねぇ…っ」

先程味わった仁湖の腸内の感覚を思い出しながら、腰を振る。
キュウキュウと俺のペニスに吸い付いてくる仁湖の腸壁。ゴリゴリと俺のペニスの先端を刺激してくる仁湖の前立腺。そして精を搾り取るようにうねるのだ。


「…っ、は…」

最高だ。もう堪らない。
あまりの快楽に身体がブルリと震えた。そしてそれと同時に、俺は仁湖の手の平の中に精を放ったのだった…。


「………、」

不思議な事に虚無感はなかった。
…その代わり残ったのは罪悪感だった。


「悪い、仁湖…。」

すやすやと眠っている仁湖に謝罪をしながら、俺は仁湖の額に唇を落とした。早く風呂に入れてやらねぇと、本当に風邪を引いてしまいそうだ。
二度射精をしたが、まだ物足りない所為か、未だに硬くそそり立っている己のペニスを無視するようにボクサーパンツの中に無理矢理押し込めた後、俺は仁湖の身体を優しく抱き上げて風呂場に連れて行った。




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