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「ひゃ、ああンっ」


中を穿つように腰を動かされる。俺の中が高瀬のものでいっぱいになって、凄く気持ちいい。
そして涙で滲む視界には額に汗を滲ませて、眉間に皺を寄せて息を荒げている高瀬が目に入る。


「ふぁ、ああ…、高瀬……ンぁ」


いつものようなギラギラした雄の目付きではなく、熱に犯されたかのように余裕のない高瀬の瞳…。
俺を見下ろしてくる高瀬の優しい瞳を見つめ返せば、高瀬は優しく微笑んだ後、俺の額に唇を落としてくれた。


「……仁湖」

「あ…ァ、た、…かせ…」

「…可愛い、愛してる…」

「………っ、」


ああ、やばい。
今こんなときにそんな台詞を吐かれると、おかしくなりそう。俺は反射的に高瀬を受け入れている後孔を締め付けてしまった。


「…、は、…仁湖…、」

そうすると高瀬は低く唸り、余裕のなさそうな表情で俺を見下ろしてきた。


「悪い、…俺、もう…余裕ねぇ」

そして心底申し訳なさそうな表情をした後、何と高瀬は俺の両足を更に左右に開き、奥の奥まで凶器のようなペニスを挿し込んで来たのだ。


「あぁあ…ァ?!、ひぁ…ぁあ…ぅ」


いきなりの強過ぎる快楽に俺はみっともなく口端から涎を零しながら喘いだ。…少し掠れてしまっているが、その自分の声がまるで女の子のような甲高い声で、少し恥ずかしく思う。

これ以上変な声は出したくないと思っているのだが、暴走し出した高瀬を止めれることなど出来ず、俺は本能に従うまま喘ぐ。


「あ、…ゃ、…ンぅああ…ァ」

「……く、」


奥にあるゴリっとした部分(どうやら前立腺という名前らしい…)を、高瀬のペニスで何度も何度も擦られ突かれ、俺は自分の意思とは別に、高瀬のものを再び締め付けてしまった。
だが高瀬は腰の動きを止めることなく、俺の良い所を責め続ける。


「あ、…ぁあ…ン、ぁ」


こんなに荒々しく突かれちゃうと、おかくしなってしまいそうだ。俺は意識を保つことに精一杯で、高瀬を気持ち良くしてあげることなど出来ずに、ただひたすら汗で滑りながらも高瀬の背に腕を回ししがみ付いた。


「…仁湖、好き。」

「ひぁ…ぁあ…ン」

俺も、好き。大好き。高瀬を愛している。
そう声にしたいのだが、口を開けばそれは喘ぎ声へと変わってしまう。
俺は一秒でも長く、この幸せを味わっていたい。


……そう思っていても、俺の身体はもう限界だったようだ。


「あ…、あお、い…、葵、…ぁあ…っ」

「…っ、仁湖、…く…、」

「ンゃ、あ…あああ…ァ!」


好きなのだと、愛していると、何度だって叫びたい。
だがしかし喘ぎ声の所為で上手く言葉に出来ない。だからこそ、大事な時に呼ぶと約束した“葵”という名前を呼んで、「高瀬に愛している」と伝える。

そうすれば一際激しく抜き挿しをされ、奥にある前立腺を何度も突かれてしまい、…俺は射精をする。そうすれば中に入っている高瀬のペニスを思い切り締め付けてしまう結果となってしまったのだ。
高瀬は再び低く唸った後、身体が壊れてしまいそうなほど俺の身体を抱き締め、ブル…っと身体を震わせた。

…どうやら高瀬もゴムの中に射精をしたようだ。


良かった、俺の中で気持ち良くなってくれたみたい。
そう思うも射精したというのに、中に入っている高瀬のものは未だ大きさも硬さも変わらず、俺の中で形を成している。


「……ぁ、…ゃ」

そうだ…。
駄目、駄目。
気を失っちゃ駄目。
俺は何回も射精しているけど、高瀬はまだ一回しか達していない。まだまだ高瀬を満足してあげたい。

何とか意識を保つために、俺は自分の太股に力の限り爪を立ててやり過ごす。
…しかし、そんな自虐的な行為を高瀬が見逃すわけなく、空しくも高瀬に止められてしまった。



「…仁湖、おやすみ。」

「……ァ、…ゃあ…ぁ」


チュッと瞼にキスをされ、優しく頭を撫でられれば、…もう俺はこのまま気を失うかのように眠ることしか出来なくなってしまったのだった。


段々と狭まっていく視界で最後に見えたのは、

……幸せそうに微笑んでいる高瀬の顔だった。





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