「あ、ァ…ひぁあ…ぁ」

「…クソ、余裕ねぇ……」


高瀬は顎にまで伝ってきた汗を乱暴に手の甲で拭うと、一度吐息を吐いた。その仕草すらも男臭くて、格好良い。

いっそ余裕なんてなくして、このまま荒々しく抱いてくれてもいいというのに、優しい高瀬はそんな事はしない。


「た、…かせ…っ」

「辛いよな、…悪い仁湖…」

「違、…うよ、…俺、…ンぁ…気持ちいい…」


高瀬のペニスが根元まで俺の中に入っている。それはとても信じ難い事だ。まさかこんな場所にあのグロテスクで大きなペニスが入るとは思ってもいなかった。
……最初は苦しかったけど、今は幸せしか感じない。

好きな人と身体を繋げられることがこんなにも気持ち良くて、幸せだと思ってもいなかった。



「……高瀬、動いて……？」

「………っ、」


高瀬にも気持ち良くなってもらいたい。
高瀬にも幸せになってもらいたい。
俺の身体の事ばかり気遣って、入れたまま動かない高瀬。きっと俺の身体が高瀬のペニスを慣れるまで動かないつもりでいるのだろう。
確かに今乱暴に突かれると、初心者の俺には辛いだろう。

だけどいいんだ。

苦しいのも気持ちいいのも全部合わせて、セックスだと俺は思う。



「…っ、煽った責任、取れよ……？」

「…ひぁ…っ？！」


高瀬は余裕なさそうに、荒々しくそう言うと、根元まで入れていたペニスを急に先端部分まで抜いた。

…そして、

再び根元まで乱暴に突き入れてきた。



「ああ…ァ、ああ…ひぃ…っ」

「……は…、」

「ンゃ、…ああ…ん」


もう声なんて抑えきれない。
根元まで入れたかと思うとすぐに先端部分まで引き抜き、そしてまた根元まで挿し込んで来る。激しい抜き挿しに俺は口を閉じることさえ出来ずに、口端からみっともなく涎を垂らして本能のまま喘いだ。



「ひっ、ああ…、ン…ふぁ…っ」


ヌチュ、クチャ…と卑猥な音が鳴り響く結合部分。
こんなに激しく腰を動かされ抜き挿しをされると、高瀬のペニスに付けているゴムが俺の中で破れてしまいそうだ。


「あ、ああ…ァン」

「…に、こ……、」


好き。好き。大好き。
もうこのまま高瀬と一緒に溶けてしまえばいいと思うくらい、俺は高瀬との濃いセックスに溺れていた。
初めてだというのに、こんなにも感じてしまう自分が恥ずかしいと思う反面、“高瀬だからこそ感じているのだという事実”に俺は喜びを感じた。