「ああ…ぁあ、」
俺は男だし、こんな所を触られて気持ちよくなれることなんて知らなかった。指の腹で、撫でられ捏ねられる。…そして胸元に顔を埋められ、熱い口の中でまるで転がすかのように舐められ吸われる。
「ひぁ、…んぁァ」
果たして元から感じる部位だったのか、それとも今まで散々高瀬に弄られて開発されてしまったのか、…はたまた触れているのが“高瀬”だからなのか、それは俺自身も分からない。
「ぁあゃ、…高瀬…っ」
…分かっていることといえば、物凄く気持ちいいということ。口端から飲みきれなくなった涎を零していると、それを見た高瀬が、「…今からそんなに感じてたら、仁湖後で壊れるかもな。」と何処か嬉しそうに笑いながら、熱っぽい声で俺の耳元で囁く。
そんな事ですらも、今の俺には興奮材料にしかならなくて、…自分では抑えられず身体がブルリと震える。
そして高瀬は俺の反応に満足したのか、俺の胸元に埋めていた顔を上げる。
…そして、
「…ひぁ…?!」
快楽の所為で上手く動けない俺をいいことに、高瀬は俺の太股を掴み、まるで折りたたむようにそのまま頭の方へと持っていく。
「ゃ、…やだ、離して、何して…?!」
「こら、暴れんな。」
「た、かせ…、」
これが暴れずにいられるか。
ペニスもお尻の穴も、全部高瀬に見られてしまっているというのに…。
「ゃ…ぁ、見ないで、」
疎い俺も知っている。
これは“まんぐり返し”という体位の一つだろう。
…といっても、高瀬とセックスするにあたって最近インターネットで検索するようになってからだけど。
たまたま開いてしまったエッチなページに、「恥辱感を堪能することができる。」書いてあった気がする。
「仁湖、綺麗…」
「…ふ…ぅ、」
いくら離してと泣き喚いても、意地悪な高瀬は離してくれない。秘部だけではなく、色々な液体で汚れてしまっているだろう自分の顔すらも見えてしまうこの格好が嫌で仕方ない。
「高瀬…、」
「仁湖、大丈夫だから。」
「……ひ…ぁ」
「…素直に感じてろ。絶対痛い思いなんてさせねぇから。」
そして信じられないことに、高瀬は俺のお尻の穴を舐めだした。
「…ひぁあ…ぁあァ?!」
身体が大袈裟な程震えた。
でも仕方がないだろう。
…だってこんな所を舐められて平然としてられる人なんて居ないだろうし。
いくら「汚いから離して、止めて」と泣きながら懇願しても、高瀬は止めてくれない。
まるで皺の一つ一つを解すように、丹念に表面を舌で舐め解していく高瀬。
俺は未だに理解し難い状況に、目を回しながら不本意だが、舐められる気持ち良さに喘ぐ。
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