そして高瀬は眼鏡を外した後も、幾度となく触れるだけの優しいキスをしてくれた。
…そう、ただ触れるだけの甘いキスなのに、俺の下半身は反応しようとしている…。
高瀬の前で勃起していることがバレるのは、凄く恥ずかしい。
だって舌を絡め合うような激しい口付けじゃないのに、こんなに反応しているなんて…っ。
俺はなんとか気付かれないように、太股を擦り合い腰を動かす。
「…どうした?寒いのか?」
すると高瀬は俺が寒いから身体を震わせ、下半身を動かしていると思ったらしい。
「え?…あ、その、……う、うん。」
違う、と言おうと思ったのが、このまま寒さの所為にすれば高瀬に気付かれないと思い、俺は肯定の意味で首を縦に振った。
…寒いどころか、今は物凄く熱いというのに、嘘を吐いてしまった。
心の中で高瀬に、「ごめん」と謝る。
「…それなら、こうすればいいだろ。」
「わっ?…え、ちょっ…、」
……どうやら嘘を吐いたバチが、早々に当たったようだ。
なんと高瀬は俺の身体を持ち上げ、向かい合う形を取って、俺を膝の上に乗せた。
「た、高瀬…っ?!」
「こうすれば、暖かいだろ?」
「………っ、」
そして高瀬はそのまま俺の身体を、逞しい胸元にすっぽりと身体をおさめさせる。
そうすれば俺と高瀬の距離はゼロとなり、かなりの密着することになる。高瀬の匂いとほのかに香る香水の匂いで、頭がおかしくなりそうだ…。
「た、高瀬、…その、は、離して…」
「…何で?」
「だって、もう……っ」
……限界だ。
俺のペニスは、完全に勃ち上がっている。
こんなに近づいていれば、そのことが高瀬にバレてしまうのは、時間の問題だ。
どうにかして、高瀬から距離を取らなければ…っ。
「た、高瀬…、」
「…ん?」
「離して、…ぁ、っ、ちょ…、何して…っ」
「仁湖の身体に俺の印付けてるんだよ。」
「し、印…?」
高瀬は俺の首元に顔を埋め、皮膚に吸い付き、舌を這わせる。敏感になってしまっている今の状態では、こんなことさえも快楽になる。
変な声が出てしまわないように、俺は高瀬の胸板に顔を埋めて、制服を噛む。
「…ン、ちょ、…離してよ…」
「印くらい付けさせろよ。」
「あ、後でなら、幾らでも付けていいから…、」
「でも駄目だ。今、付けさせろ。」
…も、もうやばい。
俺は重症かもしれない。触れるだけのキスから始まり、抱き締められ、首元を舐められ吸われただけで、こんなにも反応しているなんて…。
何だか俺だけがこんなにも反応しているなんて、凄く恥ずかしい…。
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