「た、かせ、…ゃ、だって…、ァぅ」
射精出来ないように根元を締め付けているというのに、高瀬の唇と舌の淫らな動きは止まらない。
むしろ俺が苦しがっている様を見て、更に激しく愛撫してきているくらいだ。
「…ァ、ゃ、…ひぃっ」
イきたいのにイけない。
こんなの普通では味わえない苦しみだ。
俺は一刻も早く解放されたくて、泣き叫びながら高瀬に助けを求める。
「あ、ひぅ、ふ…、た、かせ…、も…っ」
「仁湖、我慢しろ。」
「ン、…な、んで…、も、ゃだよ…っ」
「……我慢は、嫌いか?」
「嫌い、あぁァ、ン、…きらい、大嫌い…っ」
駄目だ。
今の高瀬はきっといつもの優しい高瀬とは違う。
俺が苦しめば苦しむほど、助けを求めれば求めるほど、苛めてくる。
ジュポ、ジュポ…と下半身から聞こえてくる卑猥な水音を聞きながら、俺はただ淫らな声を出し続けるしかなかった。
「ぁ、ン、…ひぁあァ」
「……仁湖、エロい顔…」
「んぁあァ、ひゃ…っ」
「可愛いな…」
今の自分の顔が見れたものではないことは、俺が一番分かっている。
涙や汗が頬に伝って、射精出来ない苦しさに眉間に皺を寄せていて、口端から飲みきれなくなった唾液を零している。……その何処が「可愛い」のか不思議だ。
「ぁ、ん、…ひぁァ、んぁあ、ふぁ…」
意地悪な高瀬は嫌いではない。
…嫌いではないけど、本当に苦しい。
射精出来ないことが、こんなに苦しいなんて初めて知った。
……でもどうにかしないと、本当に狂ってしまいそうだ。だけど今の意地悪な高瀬は俺を解放してくれる気はなさそうだし…。
“もっと違う刺激があれば、根元を締め付けられていてもイけるのではないだろうか?”
考えた結果、そういう結論に至った。
「ひぁ、ン、…ぅ」
そして俺は、先程中途半端に愛撫され、プクンと立ち上がっている乳首を指で弄り始めた。
「あ、…ン、ひぁ…ぁああン」
自分でこんな所を触ったことなんて一度もない。
どうすれば気持ち良くなるかなんて、よく分からないけれど、先程の高瀬の指使いを思い出しながら、乳首を捏ねる。
「ン、あ…、ひぅ、気持ちいい…っ」
俺のペニスを銜え、激しく舌を動かしてくる高瀬。
そして自分で弄っている乳首への刺激。
……これだったら本当に射精しないために根元を押さえつけられていても、イけそうだ。
…快楽の虜になりつつある俺は、ただがむしゃらに強い刺激を求めていた。
しかし、高瀬にされたように自分の乳首を指で押し潰そうとしたその瞬間………、
荒々しく唇を奪われた。
「ン、…ぁあ…っ」
「……は、…仁湖お前、自分が何やってんのか分かってるのか?」
「……ぅ…ン?」
「あんまり俺を煽んなよ……、」
そして俺の首元に顔を埋め、舌を這わせて軽く吸い付いてきた高瀬。
……顔を上げて見えた高瀬は、
見たこともない雄の目をしていた…。
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