4







「ひっ…?!」



“凶悪な獣を覚醒させてしまったのかもしれない。”
そう瞬時に思った。

皮も肉も骨も、…全て喰い付かれてしまいそうなほどの気迫と鋭く熱っぽい目付き。
思わず、悲鳴の様な声を出してしまった。



「…ぁ、…ゃっ」



……怯えた態度が、更に高瀬のサディスト心を煽ってしまったのか、高瀬は俺の手を退かすと、乳首を歯で噛んできた。



「い、痛ァ、…ひぁ、ァっ」

「…痛いじゃねぇだろ?気持ちいいって言ってみな。」

「ぁ、ゃ、…い、痛いの…、駄目ぇ」

「……悪い子だ。」

「んっ、ゃぁああァ…」



あまりの痛みに高瀬の言葉を聞かず、何度も何度も「痛い…」と繰り返す俺に高瀬は気を悪くしたのか、根元を締め付けているペニスへの圧迫感を更に強めてきた。

泣き喘ぐ俺を見て、高瀬は何処か嬉しそうな笑みを浮かべている。口角を上げて雄の目を俺に向けてくる高瀬は、本当にサディスティックだ。




「……も、許して…っ」

「恋人に言う台詞じゃねぇぞ、それ。」



クク…っ、と喉で笑う高瀬。
…駄目だ。そんな鬼畜な笑い方すらも格好いいと思ってしまう俺は、もう末期だ。


…だけど本当にいつもの高瀬じゃないみたい。
普段はもっと優しくて、紳士で、俺の事を第一に考えてくれているけど、…熱に侵されて何かのスイッチが押されている今の高瀬は、…凄く乱暴的で意地悪だ。





「……た、かせっ」

「何だ?」

「も、…限界だって、…ン、っ、さっきから言ってるのに…ぃ」



焦らされるのは嫌だ。
…早く溜まりに溜まった精液を出したい。
きっと我慢した分、快楽が凄いんだろうなぁ、と思うと堪らなく興奮する。

しかし射精するには、高瀬からの許しを貰わないと駄目みたいだ。
俺は泣きながら必死に懇願する。




「お願い、…も、イかせて……」



ポロポロと頬を伝う涙と、口端から零れ落ちる涎がうっとおしい。
それを無視して、呼吸を乱したまま、高瀬にお願いをしてみる。


……すると高瀬の喉仏が、大袈裟に動いたのが見えた。





「……いいぜ。」

「…ほ、本当…?」

「あぁ、たくさん出せよ仁湖…。」

「……ひゃ…、」



開かれた脚を更に左右に開かれ、羞恥で体温が上昇していくのが分かった。


……だけど太股に触れた高瀬の手の平と舌の方が、より熱く感じた。





203/300
<< bkm >>
MAIN TOP
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -