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「あのさ高瀬?」

「何だ?」

「…俺って、自分で風呂に入った?」


高瀬の寝顔写メを高瀬に気付かれないように保存しながら、俺は疑問に思っていたことを訊ねる。
だって自分で入った記憶がないから、何で俺の身体が綺麗になっているのか不思議だ。


「…あ、もしかして高瀬が拭いてくれたとか?」


それだったら凄く嬉し過ぎる。
意識のないところでも優しくタオルで身体を拭いてくれている高瀬とか、想像しただけでも格好良すぎてやばいくらいだ。



「…いや……」

「え?違うのか?だったら何?」

「…入れた。」

「へ?」

「風呂に、……入れた。」

「…………はぁっ?!」


ちょ、ちょっと今高瀬は何て言った?

“風呂に入れた”?



「え?…えぇ?…う、嘘だよな…?」

「嘘なんか言わない。」

「お、俺嫌だって言ってただろ?」

「……だって、俺が入れてやりたかったから…」

「………っ、」


そういうトキメク台詞言われたって、今は全然嬉しくない。
…だって高瀬が意識のない俺を風呂に入れてくれたってことはあれだろ?


「……は、裸?」

「当たり前だろ。風呂なんだから。」

「…俺の身体、…見た?」

「…………見た…。」


若干頬を染めながらそう言う高瀬に、ほんの少しばかり殺意を覚えながらも、俺も恥ずかしさのあまり体温が上昇していくのが自分で分かった。

…今までに裸は見られたことはあるのだが、それとこれとは話が違うのだ。
自分の意識のないところで、好きな人に身体を見られるというのは凄く嫌で…、恥ずかしい…。



「………見ただけ?」

「……………」

「……え?ちょ、…何その間?」


冗談交じりに訊いてみただけだというのに、高瀬は何も言わない。
本気で不安になってきた。


「…た、高瀬?!」

「…………見ただけだよ。」

「う、嘘吐くな!」


だったらさっきの間は何だったんだよ?!
絶対お風呂に入れただけじゃないよな、その態度は…っ。


「正直に言ったら怒らないから言えよ。」

「………本当か?」

「…うん。」


多分だけど……。



「……実は、ちょっとだけ触った…」

「ど、何処を…?」

「………いや、本当に正直に言うと、…触っただけじゃない。」

「…は?だったら何だよ?」

「……イかしてあげた。」

「…………なっ…?!」


あまりの事実に言葉を失っていると更に高瀬は素直に喋ってくれた。
どうやら一度も射精しなかった俺のことを思って、口を使って射精を促したようだ…っ。


「……な、何を勝手に…っ、」

「仁湖、すげぇ可愛かった…。意識ないのに可愛く喘いでいて…、

……俺、理性保つのに必死だった。」

「………っ?!」


……この感情は何ていうのだろうか?
羞恥を通り越した感情に、穴を掘って潜りたい気分だ。
それと同時に俺は凄く後悔した。


何故、気を失ってしまったのだろうか。






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