「…っ、ン」

あまりの苦味と独特の青臭いにおい。
それにゴムのような感触に、俺はすぐさま舐めるのを止めた。


「…………、」

いやだ、怖い…。こんなもの舐めるようなものじゃない。銜えるようなものじゃない。
「銜えさせて」なんて何も知らずに言った、過去の自分を恨みたい。


「……仁湖、」

「た、かせ……、」

だけどきっと今の高瀬は許してくれない。
「嫌だ」と言えば、最悪高瀬に嫌われてしまうかもしれない。それに高瀬は俺のものを嫌な顔一つせず、舐めてくれたんだ。
ここで引けるわけないよな…。

そう思った俺は、もう一度高瀬の大き過ぎるペニスを手で支えて、先端部分を舌で舐める。


「…っ、ぁ…ん」

やっぱり苦い。まずい。
だけど涙を流しながら舐めている俺の頭を撫でてくれる、高瀬の優しい手付きは好きだ。
…下手くそだけど、もっと高瀬に気持ちよくなってもらいたい。

そして俺は先端部分を舐めるだけではなく、顎が外れそうなくらい口を開けて、高瀬のペニスを銜え込んだ。


「ん、…ぅ、く…っ」

「…仁湖、えろい…、」

「ぐ、…っ、ふぁ…ァ」

しかしこの後どうすればいいのか分からない。
…確か高瀬は俺のペニスを銜えてくれたときは、…頭を動かして舐めてくれたんだっけ…？

俺は歯が当たらないように気をつけながら、恐る恐る自分の頭を動かし、高瀬のペニスを銜えて刺激を与えていく。


「は、ぁ、…ン、ぐ…っ」


…本当にこれでいいのか分からない。
高瀬は教えてくれる気配すら見せないし、俺に全てを委ねてくれている。
上目遣いで高瀬を見てみると、時々苦しそうに眉間に皺を寄せているところを見ると、少なからず俺の愛撫で気持ちよくなってくれているようだ。

顎が痛いほど大口を開けても、高瀬のものは全部口に入りきれない。だけど調子に乗った俺は、更に頭を激しく動かして、銜えられない部分は、手で上下に扱いた。


「ン、ぁ…っ、く…ぷ、ァ」

「………っ、仁湖…、」

「あ、…ん、っ、は…ァ、」


…あ、嬉しいかもしれない。
高瀬の低い呻り声を聞いて、俺の拙い愛撫でも感じてくれているのが確信に変わった。
あんなに最初は銜えるのが嫌だったというのに、高瀬が感じてくれていると分かると、嫌な気持ちも吹っ飛んだ。俺は現金な奴なのだ。


「っ、…ン、く、…ぁ、はぁ…」

「…美味そうにしゃぶりやがって、…っ、」

「あ、…ン、っ、…ふ」


…美味しくはない。
だけど高瀬のものだと思うと、あの嫌だった苦味や臭みも、今では全く感じない。むしろもっと高瀬に気持ちよくなってもらいたくて、頑張っているところもある。
改めて、俺は高瀬のことを好き過ぎるのだと思った。