俺は一回唾を飲み込んで、意気込む。
よっし。
俺はバッと高瀬の方を向いて、さっき頭の中でシュミレーションした内容を話そうとした。
………のだが、
高瀬は俺を見ているわけで、そして俺も高瀬を見ている。
結論を言えば、目がバチっと合ってしまい俺はおもわず声が出なくなる。
「……………っ」
やべー…。
声が出ないどころか、視線すら外せなくなった。
恐怖で動けないんだけど…っ!
「………………っ」
「……………」
俺は動けないし、高瀬はあいかわらずジーっと俺の方を見ている。
…し、死ぬ。
めちゃくちゃ怖いんですけど…。
やばい。
怖すぎて涙出そうになってきた。
すると、高瀬は俺からフイっと視線を外す。
「…………っ」
…た、助かった。
お陰で俺も動けるようになった。
俺も高瀬から視線を外し、また俯く。
怖ぇ……。
さすがトップだけあって、目で殺されそうだった。
俺の手は冷たいものの、汗を物凄く掻いていた。
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