「…………」
「…………」
…い、息苦しい。
担任なんか、この空気に耐え切れず涙目になりながら話を進めている。
…俺を助ける気は全くないようだ。
やっぱり自分の身の安全が一番だよな。
クソぉーッ!
こ、こうなったら一か八か高瀬に喋りかけてみようかな…。
このままだと凄く息苦しくて、堪らない。
で、でも何て声掛けよう?
やっぱりここは、
『高瀬、さっきはごめんな。』
かな?
…いや、待てよ。
そこで高瀬から、
『何が?』
なんて訊かれたら、どうするんだよ…。
『さっき葵ちゃんって呼んだこと。』
…なんて、言ってみろ。
きっと余計に怒りを買って殴られること間違いなしだ。
もうここは、
『何か用がある?』
…で、いいんじゃないかな?
だってここまで見てくるんだもん。
やっぱり俺に用があるのは間違いないだろう。
よっし、これでいくぞ。
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