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「…こ、んなの…っ、ちょ、…ふ…ぁ」


こんなことまでするなんて、俺は知らない。
高瀬とこんなことするなんて、考えてもいなかった。

訪れる訳の分からない気持ち良さに、少し恐怖を感じる。



「だ、め、…やっぱ、…ン、もう、無理…ぃ」


逃げないと決めたばかりなのに、こんな行為は俺に刺激が強過ぎる。


舌で舐められ、吸われる。
そして歯で噛まれ、その後は痛みを労わるように、優しく舌で舐めてくる。
…その繰り返し。

痛みと気持ち良さのギャップについていけない…。




「ン、…ぅ、…くっ、ゃ、だ…」


「…逃げんなよ。」


「…ぅぁ…っ?!ンっ、あ…ぅ」


これ以上こんな状態を耐え切れなかった俺は、逃げ出そうとバタバタと手足を動かして抵抗するのだが、高瀬はいとも簡単に押さえ付けてくる。




「抵抗されると、…余計興奮するって、前に言っただろ?」


「…で、…でも…っ、」


「…これでも必死に理性保ってんだよ。」


「た、高瀬、…ン…っ」



「……それとも、


もっと酷くされたいのか…?」



俺を見上げてくる高瀬の目は、ギラギラしている…。
まるで大好物の肉を目の前に置かれている肉食獣のような、凄く鋭い目付き。





“理性を必死に保ってる”?


“もっと酷くされたいのか”?




耳元で低く囁かれ、俺は高瀬の言っている意味を瞬時に理解して、頬だけではなく身体までが熱くなってくるのを感じた。





いつも優しい高瀬とは違う、ちょっぴり意地悪な高瀬の強引な性格。

いつもより鋭い獣のような目付き。

優しいけれど、強引な手付き。

生温くて、唾液でぬめった舌。

普段より少し熱っぽくて、甘く蕩けるような低い声。





…どれもこれもいつもと違う。
いつもの高瀬と違う。高瀬の雄としての一面。
少し恐いけれど、男の俺でも、こうなってくれるのは嬉しい。




……嬉しいけど、






「…や、だ…。」


「……仁湖…」


「優しくしてくれなきゃ、…嫌だ。」


「………っ」


今の気持ちを素直に高瀬に話すと、高瀬は何故か息を呑んで顔を真っ赤に染めた。



「……お前、ずりぃ…っ」


「た、かせ……?」


「一々、言動可愛過ぎ…、」



可愛い?俺の何処が可愛いというんだ?
全然そんな要素がないというのに、高瀬は一体何を言っているのだろうか?






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