自意識過剰かもしれないが、『高瀬からの嫉妬』だと思ってしまうと、顔がニヤけてしまう。
や、やばい。高瀬は怒っているというのに、俺は何て不謹慎なことを思っているのだろうか…。
でも、どうしよう…。凄く嬉しくて、抑えようと思っても、口角が上がってしまう。
ここは思い切って、高瀬に訊いてみようかな?どうしよう?でも、そんなことを訊いて違っていたら、恥ずかしいし…。
でも、やっぱり聞いてみたい…。
「た、高瀬、あ、…あのさ!」
「……何だよ?」
「そ、…それってさ、…えっと、し、嫉妬してくれてる…?」
…あぁー…、ど、どうしよう。つい欲に耐え切れず、高瀬に訊いてしまった。
今の俺の顔は、真っ赤になってしまっているだろう。凄く顔が熱い…。
「ば、…ち、違ぇよ…っ」
俺の問いに、そっぽ向いて否定的な答を言いながらも、耳まで真っ赤にしている高瀬を見て、俺は更に頬を赤く染めてしまったことは、言うまでもないだろう…。
「…あ、…あのさ、」
「……な、何?」
「いや、…俺は、その男とか女とか、誰かに訊ねたんじゃなくて、実はインターネットで調べてみたんだ。」
「ネット…?」
「う、うん。…誰かに訊くのって、凄く恥ずかしかったから、文明の利器に頼ってみた…。」
お互い顔を真っ赤にしながらも、話を進めていく。
そして誰かから訊いたのではなくて、インターネットで調べて知ったことをやっと理解してくれた高瀬は、ハァ…と溜息を吐いた。
「やっぱり、…怒ってる?」
「誰かから訊いたんじゃねぇって、分かったから一先ず安心した。」
「そ、そっか…。」
「…でも、何で俺を頼らなかった?」
「……え?」
「機械なんかよりも、俺をまず頼れよ。」
…ば、馬鹿野郎っ。
高瀬は俺の顔を何処まで赤くするつもりなのだろうか?こうしてサラリと格好いいことを言える高瀬は、本当に凄い。
高瀬は一体俺を、どこまで惚れさせるつもりなのだろうか…?
「う、うん。…ごめん。」
「恥ずかしがる仁湖も可愛いけど、たまには俺にも甘えろ。」
「…かっ、」
「………か?」
や、やばかった…っ。思わず、「格好いい…」と言葉にするところだった…。
何だよ、卑怯だよ。…何で、今日はこんなに男前なんだよ?
「お、…俺、…もう十分高瀬に甘えてしまってると思うけど…、」
「全然。…もっと甘えて欲しいくらいだ。」
「でも、…迷惑じゃないのかよ?」
「好きな奴に甘えられて、嫌がる男が何処に居るんだよ?」
「……ば、馬鹿…っ」
高瀬は俺の顔から火を噴かせるつもりなんだ。きっとそうだ。
これ以上、俺の顔を真っ赤にさせてどうするつもりなんだよ?
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