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辺りを見回せば、チラホラと知った顔も居る。



前同じクラスだったが、あんまり喋ったことない人達ばかり。








まぁ、なんとかなるか…、と暢気に考える俺。








だって葵ちゃんが隣に居るなら、俺はそれだけで幸せ。








「……あ、…苗字も見とけばよかったなぁ。最初から名前呼びは引かれるだろうし…」







まぁ、後で分かるだろうと思い、俺は調べずに今か今かと葵ちゃんの登校を待つ。


















「……こ、…来ない。」






確かによく考えれば、ここは不良校だ。



もうすぐ朝のSHRが始まるというのに、俺の隣の席と同じく空席がたくさんある。









そして8時40分。チャイムが鳴ると同時に、担任であろう教師が教室に入ってきた。






遅刻か、欠席か……。



ふぅー、今日は葵ちゃん来ないかもなぁ。









…と俯いて諦めていると、ガラリと隣の席が引かれた。











…えっ?!




き、来た!!










俺は嬉しくて、下げていた頭をバッと勢いよく上げて、隣の席の葵ちゃんを見る。















「………え?」









あれ?







…何で?









「…あ、…葵ちゃん?」








「……あ゛?」









そこには俺の思っていた可愛くてふわふわしているであろう女の子の葵ちゃんではなく、





強面美形で、くりょう学園トップの、







“高瀬葵”





が居た。




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