…ついにこのときが来てしまった。
今日、
高瀬から預かっていた、
“一万円”がなくなる…。
あの金曜日の事件(?)から俺たちは前よりも少し、親密な関係になったのではないかと、勝手ながら思っている。
だって俺たちは金曜日、土曜日、日曜日とずっと一緒に居たのだから…。
俺が「金曜日学校に行って、二日間高瀬に会えないのは寂しい…」と、ポロリと本音を零してしまったことから、優しい高瀬は俺と三日間ずっと一緒に居てくれた。
親に高瀬を紹介したり…、
一緒にご飯作ったり…、
一緒にご飯食べたり…、
夜中までゲームして遊んだり…、
…そして、
三日間一緒のベッドで寝たり…。
この三日間は物凄く濃い日々を送った。
高瀬の側に居て、一緒に喋っていたら、改めて実感する。
『あぁ…、やっぱり俺、高瀬のこと好きだな…』
……って。
告白して振られるのは怖い。
振られて、もう高瀬の側に居られなくなるのは怖い。
……だけど、
それよりも、もっと怖いことがある。
“この好きって気持ちを高瀬に伝えられないことだ。”
この思いを伝えないときっと一生後悔する。
初めて心から好きだと思えた人だ。
ちゃんと気持ちを伝えたい。
……例え振られるとしても、後悔しないように高瀬に伝えたい。
今日の放課後、
俺、中村仁湖は、
高瀬葵に、
告白します。
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