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「…た、高瀬…?!」

え?えぇっ?!
な、何で高瀬が居るんだ?…いつからここに居たんだ?!
も、もしかして俺が一人でしていたことバレたのかな?一人でしながら、高瀬の名前を呼んでいたことバレたのかな?



「…た、高瀬、いつからここに…?」

「……………。」

「たか…せ?」

「………仁湖、…お前…、」

「痛っ、…うわっ…?!」



ドンッ!




慌てふためく俺を見て、高瀬は真剣な眼差しで俺を見つめる。そしてすぐその後に、余裕のない表情と声を出して俺の名前を呼び、いきなり俺の肩を掴んできた。



「…な、…なに…っ?!」

「俺の、名前…、」


やばい…。
やっぱり高瀬に聞かれていたんだ…。
俺が高瀬のことを考えながら、名前を呼んで一人でしていたこと。

ど、どうしよう…。
高瀬に嫌われてしまう。
これ以上高瀬の側に居られなくなっちゃう…っ。


「…仁湖………っ」

「……た、…高瀬…」

バレてしまったことと、これ以上高瀬の側に居られなくなるだろうと思った俺は、酷くショックを受けて情けないことに泣きそうになった。






「……お前、


反則…………っ」




…高瀬はそう言うと、ほんの少しの間俺の胸元に顔を埋めた後、トイレに入って行った。







「………え?」





取り残された俺は、今の状況が上手く把握出来なくて、ただただポケ…っとその場に立ち尽くしたのだった。








(高瀬side)






「…っ……は…」


…仁湖が入っていたトイレの中から聞こえてきた卑猥な水音。そして吐息に声。
仁湖が一人で自分のものを抜いていたのは、水音と鼻に掛かった声ですぐに分かった。



……だが、



『高瀬』




……という俺の名前を呼ぶ声には、本気で驚いた。
聞き間違いだと思ったのだが、何度も何度も聞こえる“俺の名前”。

俺のことを想像していたのだろうか?
俺に触られたことを思い出していたのだろうか?
どの理由にしても、自慰中に俺の名前を呼んでいたということは事実だ。



………期待してもいいのだろうか?


仁湖も俺と同じを思いを抱いてくれているのだろうか?


俺はそんな淡い期待を抱きながら、仁湖をベッドに押し倒したときから勃起していた自分のものを、仁湖の声と表情を思い出しながら慰めたのだった。




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