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「た、高瀬、離して…っ」

“恋人同士みたい”。
そう意識すればするほど、高瀬の体温や息遣い、そして漂ってくる香水のいい匂いまで敏感に捉えてしまう。
高瀬には何度も離してと訴えているのだが、一向に聞き入れてもらえない。それどころか、反抗すればするほど高瀬は逆のことをしてくる始末だ。


「や、…やめ…っ?!」

バタバタと暴れて抵抗する俺に、高瀬曰く“燃えてきた”そうだ。
何度も高瀬を退かそうと力を入れる俺の両腕を一纏めにすると、高瀬は片手で一纏めにした俺の両腕をベッドに押さえつけた。
そして抵抗できなくなって無力な俺を高瀬はギラギラした目付きで見下ろすと、ニヤリと口角を上げて悪どい笑みを浮かべた。


「離してよ……」

「駄目。」

高瀬は俺の耳元で「駄目」と甘く低い声で囁くと、そのまま耳たぶを咥えて、そして耳の中に生温い舌を挿し込んできた。


「…ひ…ぅ…」

ヌルリとした感触がくすぐったくて身を捩らせる。
ピチャピチャ…と耳元で聞こえる音が何だかいやらしく感じて、俺は顔を真っ赤に染めた。


…た、高瀬は何で俺にこんなことするんだろう?
この前高瀬の家に行ったときもだけど…。

な、何でこんなことを…。



「…ゃ、…ン、ちょ…っ?!」

俺の耳の中で動いていた高瀬の舌が、首筋まで下がり、そしてついには鎖骨辺りにまで下がってきた。
高瀬は力づくで俺の腕を押さえ込んだまま、今度は俺の胸元を舐めてきたのだ。


……お、俺だって立派な男だ。
こういう風に好きな人が近くに居て、こういう風に好きな人に触れられて、こういう風に好きな人に舐められれば、

反応してしまう。



「た、…高瀬、ゃ、ちょ…、ン…やばいって…っ」

高瀬が俺の胸元に顔を埋めて、そこを舐める。
駄目だと分かっているのに、身体は正直に快楽を捉えてしまい、ピチャピチャと舐められれば、下半身が疼いてしまう。

…しかも高瀬とはこんなに距離が近いのだ。


これ以上反応してしまえば、確実に高瀬にバレてしまう。




「は、離して…っ、駄目、ちょ、…ひ…っ」


「…駄目?嘘言うなよ。


ここ、こんなになってんじゃねぇか…。」


「ひっ、…あぁ…っン」


高瀬はそう言うと、俺の少し勃ち上がっているペニスを膝でゴリっと押し潰してきた。


「…ふ…っ、…ン」


……どうやら高瀬にはとっくにバレていたようだ…。
高瀬は嬉しそうに俺のペニスをグリグリと押し潰す。


「ひぃ…ぁ」


……何で高瀬は俺にこんなことするんだろう…?



男同士なのに………。

付き合ってもないのに………。

俺の片思いなのに…………。




いきなりこんなことをするって、


………俺のことが嫌いな証拠かな…?




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