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俺のせいで起こしてしまったのかと不安になっていたら、すぐに高瀬から返事が来た。





3:55
Frm.高瀬葵
Sb.Re:



電話する


-END-





……へ?
あれ?
“電話”?
な、何で?!
も、もしかして俺のメールのせいで起こしてしまったことを怒っているのかな?!

返って来た返事に驚いた。
慌てふためいていたら、チャララーと最近人気のJポップの着歌が流れてきた。
……鳴ったのは間違いなく俺の携帯で、着信設定した音楽だ。

携帯画面を見てみると、“高瀬葵”の文字。
どうやら本当に電話をしてきてくれたようだ。



「…も、もしもし…」


『おはよう、仁湖。』


「あ、うん…、おはよう。」


あ、あれ?
怒っているどころか、高瀬の声はいつも通り優しい。
声もだが、掛けてくれる言葉も優しい。
どうやら深夜にメールをしたことに怒って電話をしてきたわけではないらしい…。
俺はそんな優しい高瀬のことを疑ってしまったことに罪悪感を感じ、心の中で高瀬に謝った。


で、でも怒ってないにしても、電話を掛けてきてくれたって事は何らかの理由があるってことだよな?


「あ、…あの、えっと、」

俺は電話を掛けてきた理由を訊いてみることにした。


するとその言葉に返って来た言葉は、


『仁湖が眠れてないようだったから、心配した。』



…とのことだった。



…ど、どどどどどうしよう…っ。
凄く嬉しいんだけど…っ。
別に俺の心は思春期の乙女じゃないぞ。ないけれども、…これはヤバイ。
…何ていうか、“キュン”っとした。胸が高鳴ったのだ。
好きな人に心配されて嬉しくないわけがない。
高瀬って凄く格好いい。
高瀬って凄く優しい。

俺は高瀬の言葉に嬉しくてドキドキしながらも、黙っていると怪しまれると思い、すぐに言葉を返した。


「あ、ありがとう。…俺は大丈夫。だけど高瀬こそ大丈夫か?俺のせいで起こしてしまったんじゃないのか?」


だって今は深夜4時。
普通の高校生はぐっすりと眠っている時間。
そんな時間にメールするなんて、非常識だ。だけど高瀬はそんな俺にちゃんと返事を返してくれた。だけどきっと俺が高瀬の睡眠を妨げたはずだ。
……大丈夫だろうか?


『俺は大丈夫だ。』


「で、でも…、」


『それに仁湖からのメールで起きれるなんて、こんな嬉しいことはないだろ?』


「…な、何言って…っ?!」


『モーニングコールみたいで嬉しかった。』


どうやら高瀬の言っていることは嘘ではないようだ。
…本当に声が嬉しそう。
そんなこと言われて、嫌なわけがない。
俺は顔を真っ赤にして照れた。
……本当にこの場に高瀬が居なくてよかったと思う。こんなニヤけた顔なんて高瀬に見せられないし。




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