「……な、に…言って…?」
「そのままの意味だ…。」
頬を真っ赤にして戸惑う俺に、高瀬はふっと笑う。
その笑い方が何だかやらしくて、おもわず腰を引きそうになる。だが高瀬に腰を掴まれているできなかったのだが…。
「…や、やだ。」
高瀬が言う“仕置き”とやらが怖くて、俺は断る。
すると先程まで楽しそうに笑っていた高瀬の顔から笑みが消えた。
「何故だ…?」
「だ、だって、……その、嫌だ…っ。」
だいたい何だよ…。“大人の仕置き”って。何をされるのかは怖くて想像できない。…きっと痛いことで、怖いことなんだ。
そんなの絶対嫌だ。
「とりあえず、…嫌なんだよ…。」
「……ふーん。」
俺が本当に嫌だと思っているのが分かったのか、意外とすんなりと高瀬は諦めてくれた。
………しかし、やはりその考えは間違っていたらしい……。
「……ちょ、な…、何ッ?!」
高瀬は急に自分の腰を俺の腰に引っ付けてきて、顎を掴んでいた手をクイっと上にあげた。
「高瀬…っ?」
「…前にも言っただろ?
………逃げられたら余計に燃える、…って。」
高瀬はそう低い声で言うと、ニヤリと鬼畜の笑みを浮かべて、……どんどん顔を近づけてきた。
最初から10cmくらいしか距離がなかったというのに、近づけてきたため、俺たちの距離はどんどんなくなっていく。
……下手したら唇が触れ合いそうな距離。
俺は驚きとドキドキに耐えきれなくなる。
唇が触れ合うまで後、5cm。
後、4cm。
3cm…。
2cm……。
1cm………。
どちらかが少しでも動いたら触れ合う距離。
俺はこんな状態に耐え切れなくて……、
「だ、……駄目!!」
ゴンッ!
高瀬におもいっきり頭突きをしてしまいました…。
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