変化









昨日高瀬からお金を貸してもらったから、今日返そうと高瀬にお金を渡したら「いらない」ってつっぱねられた。

だから俺は渋々そのお金を財布に戻すことにした。







そして一限目が終わって、俺は高瀬の食券を買うために食堂に足を運んだ。
今日のメニューは牛丼。

うん、めちゃくちゃ美味そうだ。


高瀬から預かった一万円は、あっという間に6500円まで少なくなった…。










________




「なぁ、高瀬?」


「何だ…?」


「ここ分からないんだけど、教えてくれる?」


四限目の数学。
何度やっても、正解の答にはならない。
頭のいい高瀬に教えてもらうべく、俺は高瀬に訊いた。


「…そこ。違う。」


「え?…何処?」


「ここだ。」



そう言って高瀬が指を指した場所は、数式の途中…。




「……えーっと……」



何処だ?
…何処が間違っているんだろう?
指を指された場所を見て、何度も考えてみるのだが、何処が間違っているのか分からない。

自分が解いた答の間違いを探すのって、本当に難しい…。



「ご、ごめん、高瀬。よく分からない…」


正直に分からないことを高瀬に告げると、何故だが頭をよしよしと撫でられた。
……子供扱いされているような気もするけど、…何だか嫌な気はしないのは何故だろう…っ。


むしろ、何だか少し嬉しいような……。




「…ここから違うんだよ。」


「え、…っと、」


…xが3だから……、
えーっと、
えーっと……、



「こ、…こうかな?」


俺は高瀬に教えてもらった場所を消しゴムで消して、新しい数式をノートに書いていく。
そして高瀬に合っているのかどうか訊ねてみる。



「あぁ、合ってる。」

高瀬はそう言うと、また俺の頭をクシャクシャと撫でてくれた。



「…えっと、教えてくれてありがとう。」


高瀬に褒められて嬉しくて、俺は少し頬を赤く染めながら高瀬にお礼を告げた。



「高瀬って、…その、…頭いいよね…」


俺は少しでも恥ずかしさを紛らわすために、高瀬のことを褒めた。


……すると、





ガンッッ!




…何故だか椅子を力強く蹴られました……。





106/300
<< bkm >>
MAIN TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -