結局俺たちが家を出たのが12時過ぎ。
中々学校に行こうとしない高瀬の腕を引っ張って出てこれたのだ。
結局学校に着いたのが13時くらい。
丁度お昼時間に学校に着いたのだ。
寝坊してしまったため、俺も高瀬も昼ご飯を持っていない。
「食堂で食べようか。」
「…あぁ。」
えっと、財布持って来たかな…?
俺はそう思って、鞄の中を見る。
あ、ちゃんと持ってきてる。
……だが中身を見てみると、何と84円……。
「げっ!お金ない。」
こんなんじゃパンすら買えないじゃん…っ!
「あるだろ、金なら…」
「え?…何処に?」
「そこ…」
そう言って高瀬が指を指した場所は俺の鞄の中にある、小銭入れ。
「…え?で、でもこれって高瀬の…」
そう。
この小銭入れの中に入っているお金は、高瀬から預かった一万円の残金が残っている。
俺の金じゃない。
「いい。使え。」
「…で、でも、」
「いいから。…俺も早くなくなった方が嬉しい。」
「…え?」
あれ?
何だか何処かで聞いたことあるような……。
なんだったかな?
“一万円がなくなったら……”
……あれ?
この続き何だった?
何処かで聞いたことのある言葉の続きが上手く思い出せない。
何処で聞いたのかも、この続きが何だったのかもよく分からない。
「……高瀬、今の」
「買おうぜ。」
この言葉の続きを高瀬が知っているような気がして訊ねようとしたのだが、…上手くはぐらかされた。
「……明日お金返すから。ごめん、ありがとう。」
「いらねぇよ。」
俺は高瀬のお金を借りて、パンを買う。
お金を明日返すと言ったのに、高瀬は別にいらないと言う。
だけどそんなわけにはいかないから、ちゃんと返すけど。
俺と高瀬の二人が買ったため、残金が7000円。
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