2







「…たか、…せ。」



ギュッと抱き付いたのはいいものの、これからどうすればいいんだろうか?
俺のいきなりの行動に周りの皆はもちろんのこと、高瀬まで固まって動かない。





「……あ、……あれ?」



不思議に思い、高瀬の硬い胸元に埋めていた顔を上げようとすると、…ビシっと額に痛みが走った。




「…あ…ぅっ!」


その痛みの原因は、高瀬が俺の額にデコピンをしてきたからだ。
俺は、「何するんだよ…っ!」と高瀬に怒鳴ろうとしたところで、止めた。




……だって、





高瀬の顔が、






…見たこともないくらい真っ赤に染まっていたからだった。






「真っ赤………」





「ばっ、…お前、今こっち見るな…っ。」




高瀬はそう言って自分の手で赤くなった顔を覆うと、俺の頭を押さえつけてきた。

高瀬の見たこともない慌てように、俺も周りの皆も驚く。
先ほどの俺のいきなりの行動に固まっていた皆は、ザワザワと騒ぎ出す。





「……高瀬…?」





「…お前、まじ……何…?」



高瀬俺から目を逸らしながら、照れを含んだ声でそう言う。




「…可愛すぎ……」





「え?」




抱き付いたのがいけなかったのだろうか?
…ちょっと高瀬が可愛く見える…。


こんな格好いい人に可愛いはおかしいかもしれないけど、



……うん。
可愛い。






「高瀬、教室行こう。」




高瀬の背に回していた腕を外し、俺は高瀬の手を握り直す。






「………仁湖、…お前はやっぱり死刑な。」





「えぇっ?!な、何で…?」




やっぱりいきなり抱き付いたことがいけなかったのだろうか?
…で、でもあれは、皆に高瀬の良さを知ってもらいたくて……、





「可愛すぎるから、死刑決定。」





「な、…何だよその理由っ?!」





「……嫌だったら、



死ぬまで、俺と居ろ。」





高瀬はそれだけ言うと、ギュッと俺の手を握って歩き出す。





「死刑かー。へへへ…っ。」



死ぬまで高瀬と一緒に居れるのか。
嬉しいかも……。



ヘラヘラと馬鹿みたいに笑う俺を見て、高瀬もふっ…と笑う。
そして俺たちはポカンとしている周りの皆を置いて、教室に鞄を取りに行った。



86/300
<< bkm >>
MAIN TOP
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -