2.前とは違う君



影山飛雄



私がクラス表見ていた時に同じクラスの中に見つけたその名前。


影山は私と同じ中学、北川第一。


影山は男子バレー部で、バレーが上手いと色んな人から言われていた。ただ、中学3年の最後の県大会で酷い有様だったということは幼馴染みから聞かされ、バレー上手なのになんでなんだろと思ったことは何度かあった。


別に聞いてはいないのに、その事を好き勝手に喋り倒した幼馴染みに少し軽蔑な視線を向けたのはここ半年前の話。


その時は流して聞いていたが、たまに廊下をすれ違うときの影山はその大会後から元気がないように見えたのはきっとその大会のせいだろうと思っていた。上手なことがあるのに上手くいかないことなんてあるんだなって思った。



いや、そんなことは今はどうでもいいのだ。



影山は”バレー馬鹿”という単語が似合うほどバレー馬鹿なのである。たまに話す機会のある委員会のときにずっとバレーの話しかしないので私は知っている。


そのバレー馬鹿の影山がなぜ、なぜ、烏野にいる?


てっきり、バレーが強い高校に行ってるはずではないのか?
と思ったが、色々考えるのが面倒臭いので私は考えるのを一時的にやめた。





「榎崎か?」
「おーす、卒業式以来だね」


久しぶりにみた影山は少し身長が伸びてるような気がした。


「お前もここなんだな」
「制服可愛いしね」
「へぇー」



たまたまクラスにいくときに出会った影山とは自分のクラスまでいく。


「ってか席前後だね、よろしくね」
「おう」











前とは違う君
(私が知ってる影山はもっとキラキラしてた)







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