1.始まりにすぎない



4月.....


私は、幼馴染みからの離脱を図るため、彼らとは違う高校への進学を選んだ。


幼馴染みが通っている学校、あそこの制服は白のジャケットのブレザー。私にはあの白い制服は絶対に似合わない、眩しすぎる。色的にも存在的にも。1度、幼馴染みの白のジャケットを着させて貰ったことあるけど、制服に着られてる感が半端なかった。そして、超絶に似あわなすぎて、幼馴染みに爆笑された覚えがある。あ、思い出したらちょっとムカついてきた。でもね、スカートは可愛いとは思う。


まぁ、似合わない現実を突きつけられ、私は絶対ここには通わないと誓ったのを覚えている。馬鹿みたいな理由だけど。


白が似合わないなら、いっその事真逆な色、黒がいい。黒なんて一番、オーソドックスだし、お洒落に着こなすのもお手のもんだ。あ、私は別にお洒落ではないのだけど。


つまり、黒は誰にだって似合う色だと思うんだよね。



ま、それだけの馬鹿な理由で私は宮城県立烏野高校へ進学したのだ。






宮城の桜がやっとぽつぽつ開花し始めた頃...


桜が見頃を迎えた宮城より南の地域はこんな素敵な桜を見ずに入学式を迎えるのは残念だなと思いつつ、母親が運転する車の助手席の窓から桜並木を眺めていた。まだ、満開とは言わないが、所々薄らしたピンク色の花がチラチラ視界に入る事に私は感動していた。



「まさか、しずくがはじめちゃんたちとは違う学校にいくなんてね」
「いつまでも頼ってられないからね」
「そうね、今日から高校生だもんね」
「うん」



お母さんとそう会話を交わして、私は今日から烏野高校へ入学したのだ。


高校も何もせず、帰宅部極めるぞ!という私の儚い野望は見事に崩れ落ちるなんてこの時は思いもしなかったのだ。



始まりにすぎない
(私のクラスは1年3組か)(あれ?なんでここに?)







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