16.成長への第1歩



2セット目始まってからすぐに日向の速攻は犬岡くんに阻まれる。初めてやった試合...こうも簡単に攻略されるものなの?



「頑張れ...」
「大丈夫...あの2人ならきっと...」



潔子さんに言われた通りブロックに何度も阻まれている。でも日向は落ち込むどころかなんだか楽しそうだ。影山もイラついているよりも少しソワソワしてるような感じがする。気のせいじゃないといいけど。



「日向 トスをみた...!」
「え?」



今まで綺麗に決まっていた2人の速攻は日向の空振りで床に落ちた。それをみて菅原さんがトスを見たという...。コーチはコーチですぐにタイムをとる。



「今まで日向トス見てなかったんですか?」
「ん..あぁ」
「....は、すご」




これからさっきみたいに日向はボールをみて打つスパイクを打つらしい。そんな練習してないのに出来るのかな...でも今の速攻もこの間の3対3で出来るようになったし...



ん、おそろしい...




そこから中々成功することはなくら2セット目、相手のマッチポイント



「あ!!」


なんとやっと影山と日向は普通の速攻が上手くいったのだ。でも相手のリベロ、夜久さんに拾われ、粘られ、烏野のコートに落ちる。



「負けた...」



音駒高校の勝利。


そこから2試合やったけど、1セットも取れず本日の練習試合は終了。



音駒強い...でも、みんな楽しそうだったな...





「しずくちゃーん」
「あ、クロさんでいいんでしたっけ?」
「おぅ...片付けも手伝って貰って悪ぃな...」
「全然いいですよ」



クロさんと一緒に音駒高校の片付けをする。
何やら烏野のほうから視線を感じるけど、無視したい。



「なぁおたくのセッターくん、めっちゃ見てきてるけど何付き合ってんの?」
「いや、付き合ってないですよ...きっとあれじゃないですか?1人...1人時間差のコツを聞きたいとか?」
「アイツなら人に合わせられるだろ」
「...多分?」




クロさんって一見怖そうな感じがするけど、話してみたら案外喋りやすくて少しチャラく感じる。



あとなんで毎回、影山と付き合ってるのか聞かれんだろう...。影山と仲がいいのは認めるけど。



「多分って...」



クロさんが盛大に笑っているので私は、若干引きながら、片付けを即座に終えて、その場を離れた。



音駒の人達が帰る頃には、田中さんと山本さんが仲良くなっていたりして、男の人の友情って早いなってしみじみと思った。



今日の練習試合、全部負けちゃったけど、本当に有意義な時間だったんだなって、みんなの顔をみて思う。





「影山ってさ、人を睨みつける癖、やめた方がいいよ」
「はぁ!?睨んでねぇよ!!」



帰りのバスに乗る前に影山にそう言うと凄い勢いで怒鳴られて、その後大地さんに煩いと怒られたのであった。まじでとばっちりだ...。










成長への第1歩
(え...あのジャージって...)







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