17.奇妙な組み合わせ
もうすぐおうちだー、今日はベッドでゆっくり寝れる!!って思ってルンルンで家を目指していたら、私の家に行く前に見知ったジャージが4つ...
「あ...」
若干茶髪がピンクがかった前髪が短い人が私に気づいた。
「どうしたのマッキー」
花巻さん...青葉城西の3年の声に反応したのは、私の幼馴染みの及川徹...。見知ったジャージ4つというのは、青葉城西の男子バレー部、レギュラーの3年生4人...
「しずくじゃねぇーか」
「はじめちゃん久しぶり」
はじめちゃんのみに声をかける。
「なんで岩ちゃんばっかり!」
「...」
「及川、岩泉の言う通り、ホント冷たくされてんだな」
「うけるな」
及川さん、主将なのにイジられ役なんだ。とてもいい気味である。
「烏野のマネだよな」
「あ、そうです。1年の榎崎しずくです」
「俺、花巻貴大」
「松川一静な」
「花巻さんと松川さん、いつもはじめちゃんを支えてくださってありがとうございます」
あえて及川さんを無視する。
「俺らのエースだしな」
「な...」
「ちょっと!!しずく!さっきから及川さんシカトしすぎ!!」
「近所迷惑なので黙って貰ってもいいですか?」
「はい...」
いくら自分家の目の前だからって騒ぎすぎるの良くないと思う。
「ここだと迷惑だから俺ん家行くか?」
はじめちゃんの提案に着いていく他の方3人...
「しずくお前も来るだろ?」
「え?」
「今日お前ん家に持っていけって言われてる物もあるからついでだ」
そう言われると行くしかないじゃないか...
「お邪魔しますー」
リビングでいいかということで私たちは奇妙なメンバーで話し出す。
「榎崎ちゃんさ、荷物多いけど烏野、合宿だったの?」
花巻さんに聞かれる。
「そうです!校内合宿ですけど」
「へぇー、飛雄の調子はどう?」
「普通」
及川さんの目が嘘つけという感じに見えるけど、こればかりは本当のことだからな...
ポン...
「お前も大変だな...」
「松川さんって大人ですよね...」
本当に私の幼馴染みと同じ学年なのだろうか。
大人だ...。
「まっつん!うちのしずくに触っちゃダメ!!セクハラ!!」
「松川さんより及川さんの方がセクハラ被害の人多そう...」
私の発言に笑い出すはじめちゃん、花巻さん、松川さん...。
「セクハラというか、中身残念過ぎての詐欺罪だろ...」
「...たまにはじめちゃんと面会にいくね」
「捕まってないし!!むしろ捕まらねぇーし!!」
3年間一緒にやってるだけあって楽しそうだな、この4人。烏野の3年生も仲良いもんな...
結構長く話をしていた。
初めて話をするのに、花巻さんも松川さんも喋りやすかった。いくら、自分たちの主将と副主将の幼馴染みだからといって、ここまで優しく接して貰っていいものだろうか。
ふとそう思っておもむろにスマホを見ると、お母さんからLINEがきていた。もう帰らないとだな...隣だけど...
「はじめちゃん、私帰るね」
「おぅ、これ持てるか?」
「うん、平気。隣だし。というかこれは...メロン!」
「気をつけて帰れよ」
「うん、ありがとうー」
メロン好きなんだよね。早速お母さんに切ってもらお!
「あ!今日烏野、東京の高校と練習試合したんです!IH予選ではこの前の練習試合とは別の烏野というチームになってますよ!当たったらよろしくお願いします!」
私はそれだけ言ってはじめちゃんの家をあとにした。
奇妙なメンバー
(榎崎ちゃんって普通そうだけど、お前らの幼馴染みって感じだけあるよな)
(あー、わかるわ)