11.苦手な幼馴染みと勉強嫌いな君



「あいさつ!!」
「ありがとうございましたーッ!!」



青城のバレー部に向けてお礼を言って帰るとき、はじめちゃんと金田一と国見に軽く手を振った。でも誰も返してくれなくて、少し凹んだのはここだけの話。


そういえばさっき及川さんがいなかった気がする。あの人主将なのになにしてんの...というか嫌な予感がする。





「おおーさすが主将!ちゃんとわかってるねー」



聞こえてきたのは及川さんの声__


正門に背中を預けて声をかけてきた及川さん、どこの少女漫画だよ。



どうやら及川さんは私たち烏野高校に宣戦布告に来たような感じ、主に影山にだけど。



「あと、しずく」
「.....」
「さっきから無視は酷くない?」
「...早くみんなの元に帰ってよ」
「青城なんで来なかった?」
「ここでする話?制服がイマイチ好きじゃない、はじめちゃんや金田一、国見はいるけど及川さんはいる、この主に2つが理由、以上」
「え?」



まじでやめて欲しい。
みんな見てるじゃん。



「もう私たち帰るから!」



及川さんと面を向かって話すのが最近本当に苦手なのだ。全て見透かされそうな感じ。



「はぁ...しずくは不器用だもね。じゃ、またね」
「じゃ!」



私たちは及川さんと別れて烏野高校に帰るべくバスに乗った。




「岩泉さんとは仲がいいのに及川さんとは仲悪いのか?」
「うーん、ただ、単純に苦手なだけ」



隣になった影山に尋ねられたからそう答えた。



「なんでた?」
「うーん、なんだろう...年々自分の中で苦手意識が芽生えてきたんだよね。別に何されたってわけでもないんだけど...」
「へぇーそういうもんなのか」
「そういうもんだよ...」




及川さんに実際になにか直接嫌なことをされたことは無い。ただ、及川さんのファンが怖いってのが苦手になったひとつでもあるかな。




「守護神ってどんな人だろうね」
「そうだな」



私はこれ以上検索されたくなくて違う話題を出して話を終わらせた。




__________





帰宅時、坂ノ下商店に食べ物を買いにいった、影山、日向、田中さん。出てきた時、日向がぐんぐんバー貰った!って嬉しそうにしてて、平和だなーってしみじみ思ったんだけど、そろそろ歳なのかな?って一瞬悲しくなることを思ってしまった。




「影山ってなんで烏野に居るんだっけ?」
「...落ちました白鳥沢」
「落ちた!?」
「白鳥沢から推薦来なかったし、一般で受けて落ちたんです。試験が意味不明でした」



それを聞いていた月島と山口が笑ってて影山は舌打ちしてたけど...




「うっ....影山バカじゃん...」
「おい!!榎崎、テメェ何言ってやがる!」
「だって....」



やばい、笑い止まらない.....



「中学のときあれだけ勉強嫌い的なこと言ってたのに...」
「中学の時の話は関係ねぇだろ!!」
「ちょ...頭揺らさないで!」



影山は私の肩を掴んで前後に揺さぶられてる。やばい、気持ち悪い...



「おい影山、榎崎が死にそうだぞ」
「...悪ぃ...」
「私もごめん....っぷ」



思い出し笑いしてたから影山に睨まれたけど、無視することにした。






苦手な幼馴染みと勉強嫌いな君
(榎崎はどうなんだ?)(私?基本いつも平均かちょい上ぐらい)







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