10.変わりつつある君



3セット目、烏野のマッチポイント



というかあの及川さんが大きい声で私の名前を呼んだせいで、及川さんのファンの人たちにディスられている気がする。
自分でいうのもあれなのだが、私はとても普通だ。大事なので2回言うけどとても普通だ。ちなみに体型も普通だ。



知ってるからこそ、可愛くないやら目立たないとか言われるのは私的にも辛いものがある。


あと潔子さんのお隣にいる事によって、私の普通さが余計に際立つのですがね...


ま、及川さんとは幼馴染みということ以外は何もないし、何かありたいっていうのもない。だから、堂々としてればいいっか。




_________
______





「がんばれ.....」




ピー



「え...」




笛の合図で及川さんがコートに入る。
サーブ.....。


さっき影山が言ってた、及川さんのサーブは強いって...



及川さんは月島を指差して月島にサーブを打つ。月島がボールに触るも威力が凄すぎて弾かれてしまう。



「ツッキィイイイ!!!」



山口が月島のあだ名?をこれでもかって叫んでいる。正直うるさいけど、でも腕折れるのめは?というレベルのサーブじゃないかな?受けたことないから分からないけど。



24対23



あと1点で青城に追い付かれる。



月島があげたボールは青城コートに返ってしまい、相手のチャンスボール....



金田一にボールが上がって私はヤバいと思ってたら、金田一の目の前に現れたのは日向...



日向の手にスパイクが当たって、逆に烏野のチャンスボール...



影山が選んだスパイカーは.....日向




日向の手にスパイクに及川さんが1歩も反応できず、相手コートに落ちる。



「...勝った」




2-1で練習試合といえども県ベスト4に勝ったんだ。すごいよ...





「練習試合だけど、ベスト4に勝つなんて凄いね!」
「凄いどころじゃないと思う」



山口と勝利を分かち合っていた。
ここまでバレーにのめり込む事になるとは...





「潔子さん、私スクイズの片付けしてきますね」
「うん、お願い」



私は武田先生の評価が終わったら潔子さんにそう伝えて最初にスクイズを作った場所に来ていた。






「榎崎」
「...国見」
「お前がバレー部のマネージャしてるの意外だね」
「ま、色々ありまして...」



国見は私が1人で洗ってるスクイズを見ながら、一緒に手伝おうとしてくれた。



あの国見が!!!



「今失礼なこと考えたでしょ」
「...うん」
「素直だね」
「っていうか、国見相手チームの片付け手伝わなくていいよ」



さっきまで国見、試合出てたし



「榎崎片付け遅そう」
「失礼だな。まぁ、初めて間も無いし、見逃して欲しい、遅いのは」
「はぁ...」



大きいため息つかれた。
ま、国見のこういうところが楽だからいいんだけどね。



昔話をしながら、片付けが終わって烏野のところに戻ろうとしたら、影山と金田一の声が聞こえた気がした。



「あ...」
「何話してたの」
「...影山”俺たち”って言ったよ」




金田一.....



「なんか悔しいな」


と言った金田一の背中を国見が力いっぱい叩いた。



「痛そ...」



その声に反応した金田一が私に



「お前とは友達だけど、次は負けねぇぞ!」
「うん、次も私たちが勝つ」








変わりつつある君
(榎崎何やってんだ、先輩探してたぞ)(あ、ごめん。今行く!)







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