女中の仕事が終わった頃、お妙さんから1本の電話がかかってきた。
”助けて欲しい”
と...
そう言われた時、焦ったがその後すぐにドスの効いた声で、「いいから来い」と言われ私は命の危機を感じ、門番に少し出ることを伝え、お妙さんが勤める、キャバクラすまいるに来ていた。
中に入ると、ミニ丈の着物ツインテール眼帯少女の九兵衛さん、何故か全裸にタオルの東城さんに猫耳年増の女の人、あれは多分神楽が言ってるキャサリンさん、そして厚化粧を施した神楽がいた。あと、なんか隊士の部屋でたまたま見つけたエロ本の表紙で見たことあるような格好をしたナイスバディの眼鏡っ子の人がいた。
え、なにこれ。
個性強くね?
「あれ、なるちゃんじゃねーの」
「私が呼んだのよ...」
話が見えない...
「店長ォ!お客様来ました!」
「え!?もうどうしよ!」
「みんな早く迎えに!お水の花道は始まっているのよ」
「はい!」
「なるちゃんは裏にある衣装テキトーに来てきて!3分で支度しな!」
「...銀ちゃん、何コレ」
「キャバ嬢少なくてバイト...」
キャバ嬢とかやった事ないんだけどぉお!私でいいのか?私で本当にいいんですか!?お妙さん!?
とりあえず着替えないとお妙さんに殺される!
私は黒服の人に案内され支度部屋へ。テキトーに着てきてと言われたが、ご丁寧に私へのメッセージと共にメイド服が置かれていた。いや、なんでメイド服?ここキャバだよね?メイド喫茶?絶対にコレ着ろって圧力を感じるメッセージがあるため私は即座に着替えた。
スカート丈短くない?
いや、でもフリル付きペチパンツあるし、まぁいいか、こういうの去年の文化祭で来た事あるしな。うん、にしても急いで化粧をし、支度部屋から出たせいで背中のファスナーが上手く閉まっておらず全部ではないが開いてしまった、
あとで神楽に直してもらお。
私は急いでフロアに戻ると、そこには見慣れた真選組隊士がいた。
いや、え?
今日は重要任務って言ってた癖にキャバクラ遊び?ふざけんてんな?
「オイ総悟、そのへんにしとけ。今日は俺達ゃ遊びにきたんじゃねーんだよ」
あ、なんだやっぱ遊びにきたわけではないのか。でもなんでキャバクラなんだ。
近藤さん土方さん、沖田さんたちが出ていくところを柱に隠れて見送っていたらふと、振り返った沖田さんと目が合った。
やべっ!
「土方さん、ちょっと待ってくだせェ」
「あぁ?って潮崎!?」
「えぇ!?なるちゃん!?なにその格好!可愛いんですけどぉ!?」
き、き、気づかれたァァ!!いや、まじで気づかれたくなかったし、見られたくなかった。
「なんでここにいるんでさァ」
「お妙さんに頼まれて...」
「...なるほどねィ」
沖田さんは絶対に断れないであろう人物の名前を出されて半ば諦めたような返しをする。私だって、まさかキャバ嬢の手伝いしろだなんて、全くもって知らなかったんです。
「とっつぁんにセクハラされそうなら俺の事呼びなせェ...、殺しとくんで」
「こわっ!あ、沖田さん」
「なんでィ」
「あの背中のファスナー閉めてくれません?上手くしまってなくて...」
「は?」
今近くにいるのは沖田さんしかいないから頼むしかないだろう。
「なんでチャイナに頼まなかったんでィ」
「さっき着替え終わったんです」
「はぁ...」
沖田さんは大きなため息をつきながら私の背中にまわりファスナーを閉めてくれた。
ふと視線を上に上げると、近藤さん土方さんをはじめ、みんなが私と沖田さんを見ている。
ぁァァァ!待って私すごい恥ずかしいこと沖田さんに頼んだんだよね?今更気づくの遅くない?めっちゃ恥ずかしいんだけど!
「てめぇが頼んできたのに何顔赤くしてんでィ。早く顔白くしろ...その顔他の奴に見せてんじゃねェ。俺だけに見せろ」
「...はい?」
ん?今のなに?今の言葉の意図はなに?
沖田さんは意味深な言葉だけを残し、私の頭に手を置いて仕事に戻っていく。
「ちょっとなるちゃん、なに見せつけてくれてんのよぉ」
「うるさい、銀ちゃん。ってかなんでバスタオル1枚?なんでオネエ言葉?なんで新八くんもタオル1枚なの?」
「あそこで伸びてるバカ2人の代わりです」
「あー、なるほど」
銀ちゃん、ガタイ良すぎてまじでキモい、
「じゃあごゆっくり楽しんでいってくだせェ、俺達ゃしっかり外見張っとくんで上様」
上様?
ん?上様!?将軍様ァ!?
キャバ嬢1日体験
(銀ちゃん上様って!)(え!?モノホンの将軍!?)