36.柳生篇3
庭が騒がしくなってきた。


「沖田さん、行きましょ。最終決戦です」


私の膝で寝ている沖田さんを叩き起す。普通に私の膝で許可なく寝てたんだよな、この人。私の膝枕たけーぞ!


「寝心地悪ィくせに金とんのかよ」

「寝心地悪いなら、起きれば良かったじゃないですか」

「疲れたんでィ」


きっと寝心地がよかったな...と心の中でふふって笑っていると


「結構肉付きいいな...」

「は?」

「何も言ってねェ。俺、足折れてるんでィ、肩かせ」



沖田さんが何か言ったような気がしたが、外野がうるさすぎて上手く聞こえなかった。


「足折れてんですか。1番隊隊長のくせに」

「隊長は関係ねェでさァ...。これもチャイナにやられやした」

「相変わらず2人仲良いですね」

「そんなんじゃねぇーや」


私は仲良く見えるだよな。似たもの同士というかなんというか。



「あ、土方さん」

「総悟...潮崎」


頭から血を流して煙草を吹かしている土方さんを見つけた。


「潮崎てめ、あそこから動くなって言ったろ!」

「動かなかったですよ、動かなくても敵来ましたし!」

「お、お、す、すまねぇ...」


マシンガンの如く、土方さんに言えば少したじろぎながら謝ってくれた。



「今度は怪我してねぇだろうな」

「こんな名前だけに酔いしれている人たちなんかに負けませんよ」

「偉く強気だな」

「さっきから少し機嫌が悪いんでさァ」

「悪くないですぅ!」


沖田さんの言う通り、私は少しイライラしている。沖田さんと神楽の仲を自分で聞いときながら、なんなんだ、この感情。


「なる、てめぇは皿外して巻き込まれねぇようにしてな。今は守ってやれねェ」

「へい」



沖田さんは土方さんに肩車をしてもらっているというか、許可を取らずに肩車されにいっている。


庭には近藤さんはじめ、神楽もいる。銀ちゃんと新八くんが対峙しているのは、九兵衛さんと柳生陣の大将ら、私は皿を外し、お妙さんを見つけ駆け寄る。


「お妙さん!」

「...なるちゃん」

「みんな、お妙さんの泣き顔は見たくないんだよ。だから泣かないでください」

「...たい...私、みんなの所に帰りたい」

「うん」


私は泣いているお妙さんを抱きしめた。大丈夫、みんな強いし、お妙さんが笑ってくれるなら大丈夫。と慰めた。にしても、決闘に勝たないとお妙さんは戻ってこない。


頑張れ、銀ちゃん、新八くん...。



柳生家の剣筋は速くて新八くんに関してはギリギリ防ぐのがやっとって感じだ。


九兵衛さんが新八くんのことを好き勝手語っている。数回しか新八くんに関わってないけど、そんな人じゃない。新八くんは強い。精神的にも、ずっとずっと昔より強くなってると思う。だって銀ちゃん、怒ってるもん。



「こいつも恒道館の門弟だ!」

「げ!」



お妙さん近くにいたのに!私は木刀で攻撃を受け止める。早く大将倒して!



「うちの子に何してくれてんのじゃァァァ!」

「近...ゴリラさん!」

「え?なんで言い直したの?近藤であってるよ!?」

「.....」

「無視はやめてぇぇえ!?」


助かったぜ近藤さん。ゴリラは愛嬌だよ。



「なんでお前また襲われてんの!?」

「私、お祓いしてもらったほうがよくないですか!?」



なんて敵を倒しながら言い合っていると、敵の大将を新八くんが倒していた。勝ったんだ。



お妙さんと九兵衛さんはお互いの本音をぶつけ合っていた。女の子の友情...いや、あの二人はそれ以上の関係になるよかな。



「帰るぞ」

「はーい」

「おい、肩かせ...」

「へいへい、土方はん、タクシーで帰りましょー!」

「あー、そうだな」



お妙さんが新八くんたちの元に戻ることが決まり、私たち真選組メンバーは近藤さんを置いて先に屯所へ帰った。お妙さん、最後まで泣いていたけど笑ってくれるかな。お妙さんの笑った顔、私も好きだから笑ってて欲しいな。








______
___



「ねぇなるちゃん。ここなに?ゴリラ園?」

「近藤さんの結婚披露宴」


今日は近藤さんとゴリラの結婚披露宴。


「普通ですね、嫌とかないんですか?」

「え、普通に嫌だよ。ゴリラ住み着くかもしれないじゃん。飼育員さん雇わないとじゃん」


まじでゴリラと結婚すんの?本当に嫌だわ。



「旦那笑い事じゃないですぜ」

「いや、笑ってねーよ。つーか笑えねーよ」

「ちなみに近藤さんはゴリラの星にいって帰って来ねぇーぜ。成功すれば」

「マジでか」


松葉杖で私たちがいるテーブルにきた沖田さん。トランシーバーで近藤さんと会話している。神楽なんてドコ産のバナナか聞いているし、銀ちゃんなんてトイレの場所聞いているし、沖田さんは案内すると言っているし、なんだかんだ、みんな好き勝手してんじゃん。



「夫婦初めての共同作業に移らせてもらいます」



夫婦初めての共同作業ってケーキ入刀だよねと思い、私は近藤さんたちに目線をやると、何故かそこにはケーキはなく、ベッドが用意されていた。


え?そういうこと?
え?ゴリラの文化こわ!


「新八くん、私にもタッパー貸して。バナナ持って帰ってバナナケーキ作るわ」

「マジでか!なる今度持ってくるヨロシ!」

「いいよー」



現実逃避、今はこれが1番いい。いや、まじで、人前でそういう行為をするのはやめて欲しい。そんな中、会場の扉が開き、薙刀が近藤さんを襲う。薙刀を投げたのはお妙さん。


え?お妙さん!?


お妙さんが乱入する形で披露宴はぶち壊し。ゴリラが暴れ出して私はお妙さんたちと一緒に走って逃げる。その時のお妙さんが、すごいいい笑顔になってて、近藤さん、あながちお妙さんといい感じなんじゃないかなって思いました。







終わりよければ全てよし!
(なるちゃん、ありがとう)(いえいえ!)



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