マイダーリン





『ダーリンはウチと結婚して一緒にお好み焼き屋をするんや!邪魔せんとってや!』


ピシャリ。
閉められたドアの前で固まる俺たち雷門イレブン。
閉じられた部屋の中では、あの女の子から一ノ瀬が逃げて助けを求めている声が響いている。


『…惜しい人をなくしたな』
『いやまだ一ノ瀬死んでないから!』

土門の冗談を諫め、助けようと一歩出ると退いて円堂君・と可愛らしい声がして。
それが名前の物だと気づいた時には、ものすごい音と共に扉が外れんばかりの勢いで開かれていた。


『なんや、アンタ』
『名前っ!助け…、』
『…ウチの旦那、返してくださる?』
『だ、旦那やて…!?』

助けを求めた一ノ瀬が固まる。
名前の「旦那」発言に赤くなるかと思いきや、逆に青ざめていて。
一ノ瀬に引っ付いている女の子はその言葉と、次に名前を見てガタガタ震える一ノ瀬に驚きの声を出した。


『あらカズヤ、随分仲良さそうね』
『ちがう誤解だよ名前!』
『カズヤ、お好み焼きは美味しかった?』
『名前…?』

名前の声が、静かに響く。

『私よりお好み焼き女になびくのかしら?』
『お、お好み焼き女って何や!!ウチは、』
『カズヤ、』
『は、はいっ』
『いつまでその子とくっついてるつもり?』
『ご、ごめんなさい…』

後ろに立つ俺たちが、にこりと笑ったのを想像できるくらい名前は優しく声を出した。
ビクビクしながらゆっくりと此方へ戻ってくる一ノ瀬に、名前は少し声を落として。

『Hurry、up』
『は、はいぃぃっ』

ゆっくりと紡がれたなめらかな英語に、一ノ瀬はもちろん名前の後ろに居る俺たちもゾクリと背筋を震えさせる。


『カズヤにとって、私は何なのかしら?』
『こ、こ、恋人…です』
『カズヤ、あなた私に何て言った?』
『え、と…』
『将来、』
『アメリカで一緒に暮らそうって言いました…』
『一生、』
『大切にするって言いました、』
『結婚したら、』
『子供はサッカーチームが出来るくらい作るって言いました!』
『そんなに頑張るのかよ!?』
『いや土門、突っ込むなそこは』


どこかズレた事を言う土門に鬼道が苦笑いで突っ込んだ。
まるで誘導尋問みたいに、名前の言葉が一ノ瀬を追いつめていく。


『カズヤ、アナタにとって私は何なのかしら?』
『最愛の恋人ですっ!!』

ゴメンナサイと涙目で名前に抱き付く一ノ瀬。
結婚する前から尻に敷かれてるんだけど、まぁ上手く行ってるなら問題はない。
うん、問題は…ないよな、うん。





end




『昔からフェミニストで女の子には甘かったからなぁ、一ノ瀬は』
『うん…名前ちゃんもどんどん耐性付いて、今では怒ったらあんな感じになっちゃうもんね』
『声が優しい癖に目が全っっっ然!笑ってないんだよなー』
『うん、私初め泣いちゃったもん』
『あ、実は俺も…』
『アスカ、アキ…?なぁに、二人とも昔話?』
『『な、なんでも無いです!』』
『ごめんってば名前ーっ!!』



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ヘタレのせが好き^p^←
性格ちがくてスマセぇぇぇ!!
DVDでこの話観たら書きたくなりまして始まりましたのせ連載。
因みに私リカちゃん大好きです^p^ごめん可哀想な役にして(´・ω・`)



20111110
犬猫



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