かわいいあのこぼくにむちゅう ※バカップル。 『喜多くーん』 『ごめん、あと少しだ』 カリカリカリカリ。 部誌を書いてる喜多君。 まだ?と問いかければ、返ってきた言葉は「あと少し」 …10分前、そのまた10分前も同じ答えだった気がする。 もうみんな帰っちゃったし、鍵もキャプテンの喜多君が締めるんだから別に問題は無いんだけど… 如何せん、暇だ。私が。 今日は練習が多かったから、色々メニュー書いてるのかな喜多君真面目だから1から10まで全部書くんだよね。でもそーゆートコも好きだよ喜多君! 左から右へ、喜多君の目が移動を繰り返す。 うわぁ綺麗な目。知ってるけど。 睫毛も長いなぁ。知ってるけど。 余りに暇で喜多君観察に入るけど、知ってる事ばっかりだからやっぱりつまんない。 じっと喜多君を見つめていたら、ちらちら、と私を見て恥ずかしそうに顔を上げた。 『な、何だ…?』 『…まだ?』 『もう少し、だが…待てないなら帰っても良いぞ』 どうやら催促しすぎたみたいで遂に喜多君が帰れと言い出した。いや、帰れじゃないけど…気が散るんだろうな、とは思った(私だったら早い段階で煩いってキレてるだろうな…喜多君は優しいからそんな事しないけど) 『私邪魔?』 『邪魔、って言うか…』 『うるさい?ごめんね?』 『煩くは無い…けど、』 けど何よけどって。 もどかしいよ喜多君。 邪険にされるのは嫌だけど、ハッキリ言ってくれないのも嫌だなぁとか何とも自己中な事を思いながら喜多君を見ていると、喜多君は意外にも顔を赤らめていて。 『名前が見てると…ドキドキして手が震えて上手く文字が書けないんだ…』 『…喜多君、』 『な、何だ…』 『今すっごく…ちゅうしたい…』 『え、なん…っで、っ…!!』 身を乗り出してちゅう、と唇を合わせる。 柔らかい唇。 汗の臭いと、まじって制汗スプレーの臭いがした。 喜多君の匂いだ。シトラスの香りってすごく好き。 きっと喜多君の匂いだからだね! ――――――――――― よく分からん。 喜多君意外と可愛くてたまらん。 彼のヘアバンとポニテのキャストオフ想像して夜中悶えたのは秘密(言っとるがな prev / next
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