へびのなまごろし。










★べたべた倉間







『名前、先輩…?』
『んー?』


倉間君が雑誌に夢中で構ってくれないから、彼のベッドでゴロゴロしていた。
わ、枕から倉間君の匂いがするーなんて当たり前の事を考えながらそれを抱きしめケータイいじってたらなんだか眠くなってきて。

そのまま微睡んでいたらようやく雑誌から顔を上げた倉間君が訝しげな顔をして。


『ちょ、寝るのかよ』
『んー…』
『それ俺のベッドなんですけど!』
『んー…』
『つーか寝るなよ…せっかく2人っきりなんすから!』
『んー…』
『先輩さっきからそれしか言ってない!!』


煩いなぁ。
すっごくいい気持ちなのに。
今までほったらかして雑誌読みふけってたのは誰ですかと問いただしたくなるわ。

きゃんきゃん煩い倉間君を引き寄せて、私の胸に崩れてきた彼を抱き締める。
ああ、温かい。
髪から枕と同じ匂いがする。

ふわふわな水色の髪の毛に顔を埋めて頬ずりした。見た目に反して柔らかい髪の毛は肌にあたると気持ちが良くて。


『ちょっと、名前せんぱ…!』
『寝ちゃおうよ、倉間君…』
『っ!』
『うー…くらまくんのにおいがするー…』
『え…ちょっとせんぱいっ』
『おひさまみたい、で…』

あったかくてきもちいいの。



意識が途切れたその先で、倉間君が色々と葛藤している事なんて…私に知る由もない。







* * * *

生殺しってこれ。

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