episode:01








『帰れなくなった!?』
『そのようで…』

幕末からやっと帰ってきたー現代だーと思ったら。
何故か沖田さんがこの世界に居て。

何で居るのか本人も分かってないみたいで、所謂トリップがどうのとほざく青い熊を縛り上げた。

『帰れないって…つまりタイムジャンプ自体出来なくなってるってこと?』
『そ、そう…でふ…』
『し、史実確認しなきゃ…』

とりあえず皆を部室に待機させて職員室へ。パソコンを開いて沖田総司で検索すると、今までとなんら変化は無かった。


『どう言うこと…?』

まだ歴史が上書きされていないんだろうか。
死期が早まったとか曖昧になってるとか…歴史上特に改変は見あたらない。


『原因が分かるまでどうにかするしかあるまい』
『するしかあるまい…じゃないですよこの熊野郎』
『だ、誰が熊か!』
『死ぬ気で方法探せや』
『は、はいぃいっ!』


全く、歴史が大きく変わったらどうしてくれるんだ。
沖田さんは沖田さんで不安げな顔をー…。

『こ、これが未来…』

何か目キラキラしてるんだけど。








とりあえず、沖田さんは私が預かることになりました。

『て、訳で大変申し訳ないんですがこのジャージに着替えていただいても良いでしょうか』

成人男性に中学生のジャージを着せるのはすごく気が引けるのだけど、現代において着物+新撰組の羽織なんか着て街中を歩いたら…いろんな意味で注目される。しかもイケメンときた。絶対(良くも悪くも)注目されるに違いない。

予備のジャージを渡すと、沖田さんは不思議そうにそれらを見て私を見た。
着方、分からないのか(まぁファスナーなんか見たこと無いだろうけど)。


『袴を脱いで、これを穿いてください』
『これは袴の代わりか…』
『上着はこれを…』

ウェアと上着を渡して靴を探す…けど流石に無かったから本当に申し訳ないけれど職員室に置いてあるサンダルを拝借した。


『すみません、今はこれで我慢してください』

最後にファスナーを上げてお着替え終了。
今思えばワンダバに着替えくらいどうにかしてもらえば良かったなと思ったけど…早よ行けやと追い出したのは私だから何もいえない…反省。

しっかしまぁ。
私かなり酷い事してない?大丈夫?

あのイケメン沖田総司にジャージ着せて更にサンダルだよ。
全国…いや、全世界の沖田総司ファンに殺されかねないよね、こんな事を知られたら。


『薄くて軽いのに暖かいな…この着物は』
『え、ええそれはまぁ…スポーツウェアですから』

心の中で何度もすみませんごめんなさいと謝って、とりあえず家に。
徒歩圏内で良かったと、私はこの時初めて思った。







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イケメン+ジャージ+サンダル=萌
だらしないイケメンとか萌えるしかない。
沖田さんはだらしなく無いですけども。←


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